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プロローグ

 人里離れた大きな敷地にひっそりと佇む一軒家。渋い紺色の瓦屋根に、牛乳のように真っ白な漆喰の壁、風情に溢れ庭園のような広さを誇る庭に、清らかな音を立てる鹿威ししおどし。石畳の階段の先につながる豪華絢爛な門扉。そのすぐ隣には、艶やかな黄色のヒマワリが、幾重にも重なり合って、太陽に向かって咲いています。


この家に住むのは、代行サービス運否天賦うんぷてんぷの代表、星野昇多ほしのしょうた。年齢は25歳。純度高めの黒髪に、少し青みがかったカラーコンタクトレンズが入れられた、潤いある瞳。170後半の身長で、腰骨の位置も高く、すらっとした細身スタイルの持ち主ですが、それなのに童顔で、いつも実年齢よりも幼く見られてしまうのです。このお話は、そんな1人の男性が首軸の物語なのです。


 そもそも、この代行サービス運否天賦がどのようなものかと申しますと、「何で自分がこんな目に・・・・・・となるシーンを、その人物いらいぬし様に代わって、代表星野がその人物様自身になってあげる」というものです。


 代行サービス運否天賦のサイトには、文字数に制限のないメッセージが送れる機能が備わっているのですが、そこにメッセージを書き込んでくれた方の中から、代表が直観で行き先を決め、旅に出られるのです。その直感というものは、ここで働く社員一同、誰にも分からないもので・・・。と、少し簡単に言い過ぎましたでしょうか。それとも、難しすぎて伝わっていないでしょうか。まぁ、どちらにせよ、これこそがサービス内容の全貌なので、これ以上詳しくお伝えすることはできないのです。


こんな内容を代行されても、と思われる方もいるでしょう。


いいえ。これが代行サービス運否天賦の、創設当初からのモットーですので、変えることはできません。それに、代表である星野が決めたのですから、誰も何も文句は言えないのです。


 果たして、星野と出会った人物は幸せになれるのでしょうか。その答えが、ちょっとした未来で待っています。


 さぁ、今日も新しい人物様からのメッセージがサイトに届いているようです。代行サービス運否天賦の代表、星野昇多。人生最高到達点を求めて、旅に出ます。

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