逃走0日目 決意
まったりどうぞ。
「はぁ…、はぁ…。」
目の前にある死体を見てオレは恐怖と不安、まるで悪い夢でも見ているかの様な感覚を知った。
それが自分が犯したことだと理解するのに数分かかった。
これからどうすればいいのか?自首するべきなのだろうか?
そんなことがオレの頭の中を埋めつくした。
捕まりたくない・・・・
その言葉が一本の矢のように、いっぱいいっぱいだった自分の頭を貫いた。
逃走・・・、いや、逃げてもどうせ捕まる。
だが仮に捕まらなかったとしても、自分にはろくな生活が待っているわけでもない。家庭もない、仕事も趣味も。
「逃走か・・・。」
オレはそう呟いていた。失うものが何もないのなら、逃げて逃げて逃げまくって、罪から逃れる時を待つのも1つの手段なのかもしれない。
そうだ、どうせ生きていても無駄な人生だ。自殺を考えたこともある。
ならば、いっそのこと、めちゃくちゃに生きてみようか。殺人の罪に問われる身だと言うことに変わりはない。
逃走を決意したオレは次に計画を考えた。逃げる以上、ここに長居するわけにもいかない。
とりあえず金目の物を頂くことにした。財布、預金通帳、高価な宝石など。
次に遺体の始末だった。ここらの近くに神龍川という急流の川がある。流されたら一生見つからないと言われるほどだ。そこに棄てれば警察の捜査も遅れるだろうと考えた。
計画を立てた自分は、さっそく行動に移すことにした。まずは死体の遺棄、神龍川に向かおう。
このマンションに来たとき真上にあった太陽は西に傾きかけていた。真夏の太陽が自分の体を焦がすかのように輝いている。まるで逃走しようとするオレを笑っているみたいだった。
早く行こう。そう思うのだが、なかなか進む気になれない。死体を詰めた大きなバックが重いから進む気になれないのか、いや違う、ほんの数時間前まで1人の人間として生きていた自分が1人の犯罪者として生きていく人生に、ここまで来て疑問を抱いてしまっていた。
皮肉なものだ。生きていても仕方がない人生なのに犯罪者として生きる人生に恐怖を感じてしまっている。
「・・・・・・・・。」
考えるのはよそう。オレは殺人者だ。逃げるしか方法はないんだから。
オレは重い死体と足を引きずりマンションを後にした。長い逃走生活が始まった。
PM5:45 逃走開始
次回はいつになるのやら。少し長めに書きます。




