研究者は仲が悪い
(*ゝω・)ノ
様々な種族が暮らすアグノース帝国。
そんなアグノース帝国には、帝国研究所と考古学研究会と言う二つの研究機関がある。
研究所の所長ルリオと、研究会の会長ピリケイツ(ピリー)は犬猿の仲で顔を会わせる度に喧嘩する。
「チビエマ十士族のルーツはチビエマなのだから魔術師団全員を研究すれば分かる!!」
「魔術師団は普段も忙しいんだよ。生きているチビエマを研究していても仕方無いさ。だったら、我々の祖先の化石や骨、住居跡から食事や生態系を調べた方が早い」
今日も城で二人は喧嘩をしている。
「生きているチビエマを調べなきゃ意味ない!!」
「いや、祖先の進化の移り変わりを調べるべきさ」
二人は顔を近づけると睨み合う。
そんなルリオはルナ族と呼ばれる光魔法に長けた一族で、ピリーもコロナ族と呼ばれる闇魔法に長けた一族だ。
ルリオもピリーも、元々小人族だがチビエマと同じく人間に変身して生活している。
ルナ族とコロナ族は宿命の一族らしく、地元の里に帰れば魔法合戦の真っ最中になるくらいだ。
「チビエマの謎を解き明かすのは俺だ!!」
「甘いね!!僕の方が先にチビエマのルーツを解き明かすよ!!」
「「ふん!!」」
ルリオとピリーは啖呵を切ると、肩を怒らせながら去っていく。
だが、喧嘩している二人は何処か嬉しそうだった。
ライバルだからこそ互いに認め合っているのかもしれない。
(*>∇<)ノ