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51話 3人でホラー映画!

 ご飯を食べ終わって、お茶を飲みながらのんびりしているとき、愛乃がふふっと笑った


「今日はとっておきのものを用意してあるの」


 透と知香は顔を見合わせる。


(……なんとなく嫌な予感がする)


 知香も同感だったようで、おそるおそるといった様子で愛乃に尋ねる。


「なんか変なものじゃない?」


「……近衛さんって、わたしのことを何だと思っているの?」


「同い年の男の子と裸で一緒にお風呂に入っちゃうような痴女?」


「あっ、失礼だよー。それに、それは近衛さんも同じでしょう?」


「わ、私は違うから!」


「わざわざスク水を用意してまで、透くんと一緒にお風呂に入りたがっていたのに?」


「そ、それは……」


 愛乃と知香の言い争い(といってもじゃれ合いみたいなものだけれど)は、知香が劣勢のようだった。

 完璧超人の知香も、なぜか愛乃には弱いみたいだ。


 話が脱線しそうなので、透は横から口を挟む。


「それで、愛乃さんが用意したものって何?」


 よくぞ聞いてくれました、という感じで、愛乃が満面の笑みを浮かべる。


「ホラー映画なの」


「え?」


「透くん、ミステリだけじゃなくて、ホラーも好きって言ってたよね。だから、最近の話題作をレンタルしてきたの」


 たしかに、愛乃とはそんな話もしたと思う。

 最初に話すきっかけになったのも、本屋のミステリの棚の前にいたことだった。

 なんだか、もう大昔のことのように思えるけれど、まだ一週間も経っていない。


(共通の趣味のある結婚相手って、いいよなあ)


 透はそんなことを考え、愛乃と結婚することを自然と想像している事に気づき、驚いてしまう。


 愛乃はいたずらっぽく、青い瞳を輝かせた。


「それに、二人で家でホラー映画を見るのって、恋人っぽいでしょう?」


 そう言われれば、そうかもしれない。


 と、知香が透の服の袖を引っ張った。


「私もいるんだけど……」


 愛乃がくすっと笑う。


「近衛さんは怖いの苦手?」


「べ、べつに苦手じゃない!」


「なら、近衛さんも一緒に見る?」


 愛乃は自然と知香を誘った。


 知香は少しためらってから、こくりとうなずいた。

 愛乃は積極的に、知香と親しくなろうとしているように見えた。


 その意図はわからないけれど、知香がこの家にいるかぎり、しばらくは三人で暮らすわけだから、透にとっても、そうしてくれたほうが良いのは事実だ。


 そして、三人は一緒に映画を見始めることにした。

 のだけれど……。


 この豪邸には、かなり大きな立派なテレビも用意されていて、そこに映画を映し出す。

 部屋を真っ暗にして、テレビの前のソファに三人は腰掛ける。


 自然と、透の右側に愛乃が、左側に知香が座った。

 どきりとする。


(美少女二人に挟まれる格好になるなんて……)


 二人と風呂にも一緒に入ったのだから、今更ではあるけれど。


「あっ、透くん、照れてるんだ?」


「透ってば、デレデレしてる……」


 愛乃と知香は、ふたりともちょっと楽しそうにそんなことを言った。


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