狂信者と魔法実技3
まず、一番良いのはどうにかしてガス抜きとヘイトの転換をする。
無理だ、そんな能力は持っていない。
大人しくやられる。
アホだ、生きてられるかも分からない。
『平家物語』を使う。
これは違う意味でアホだ。
三八式もしくは三十年式銃剣を使う。
これも使用後に適切な処置をしないと殺傷してしまう、却下。
純粋な魔道士として戦う。
至って普通の方法だ。
その上勝てて名誉挽回できれば尚良し。
基本的な今回の戦闘スタイルとしては魔法実技の時間はどれだけ罵倒され、煽られようと、魔法が当たらなかろうと絶対に相手の攻撃は避けたい。
魔法を喰らって痛くない訳がないのだ。
正面衝突は面倒すぎる。正直な所、俺の能力的なモノというか、実力というか、そういったモノは″扱いずらい″のだ。
他人より少ない魔力で相手に勝つには当然、ドーピングや、体術で対応するしかないが、今回はドーピングを使えない。
理由として、ドーピングは体への負担が大きく、そのダメージの影響が次の日どころか一週間以上続く事もあるのだから。
そして体術は、なんでもアリの喧嘩で勝つ事に特化しすぎている。後の関係を考えない、言うなれば相手が嫌がる事をする泥臭い喧嘩の方法。
武術でもCQCでもない、だから歯止めが効かないというか、寸止めの技術がない。
人とは案外でもなんでもなく脆い。簡単に死んでしまう。
だからこそ、余計な殺生をなるべく減らすためにもなにもしないと言うわけではないが、それでもあまりにも惨いような事は控えるように心掛ける。




