狂信者と魔法実技2
裕福な貴族や商人にとってみればそれこそ端金だ。
それが実質的なその生徒の値段と言ってもいいモノだ。
だからそれで裁判にもなったことがあるようだ。
今から遺書の準備でもしておくか......流石にクラス全てが敵であるのなら勝てない。
正確に表現するならば、『平家物語』を使えば勝てる。だが、それはあまり宜しくないのだ。
『平家物語』は唯一無二なのである。もちろん、その他の生徒も古い家柄ならば国で保管されるような特殊な魔道書や杖の一つや二つあるだろうが、特殊というよりは異質という方が近い。
異質さ故に、教会の牧師様あたりに見つかれば、どの宗派であっても焚書され、使用者はその日のうちに異端審問にかけられて、処刑されても文句を言えない代物だ。
だからこそ、むやみやたらに力を使ってはいけないのだ。
そんなものを公の場で使えば、アホにでもわかる事態になる。
だからと言って、こんな中で皇女殿下の助力を願えばそれはそれで厄介である。
つまり孤立無援、四面楚歌、八方塞がり、完全に詰みです対戦ありがとうございました。
......冗談はさておき、どうするか。




