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狂信者と朝7
相変わらずクラスの視線は厳しいが、昨日よりも増している気がする、昨日の魔法第六科の教室よりもひどい。
何か一つでも言葉をはっせば一触即発の雰囲気だ。悪化している。なぜお前がという視線だ。
思い当たる節があるとすれば............アホやらかした......迂闊だった。
なんでこうも後先考えずに行動する事が多いのか。いや、こうなる事が考えられるのに″考えなかった″のか、クソが。
あの時、強引にでも拒否すれば良かったと後悔した。
皇女殿下を納得させる為とはいえ、端から見れば完全にデートだった。
別に″普段″ならそれでも問題ない。
しかし、現在俺は窮地に立たされている。
非常に立場が厳しいのだ。
貴族派から見れば庶民派の味方をした人間が自分らの派閥のトップと一緒にいたのだから、貴族派、庶民派、そのどちらからもどっち付かずな人だと思われているのだろうか。
後悔先に立たず、今の俺には一番身に染みる言葉だ。




