狂信者と朝6
今回はこんなで許してもらえたが、それでも次はさすがに憚れる。
こんなことでバルトールとの間に不和がに生じてしまえば、帝国小金貨一枚分の回収が不可能になってしまう、というのも無きにしもあらずという訳だ。
いい加減、目覚まし時計をどうにか手入れるかどうかしなければならないとも思うが、果たして目覚まし時計がこの世界にあるのか。
「バルトール」
「なんだい?」
「時計はフロスト商会に置いていたりしないか?」
「あるにはあるけれど......魔石も使うし値は張るよ?友達価格で売ってあげてもいいよ!」
「いや、普通に買う。それに何か機能がついていたり......例えばその時間になったら音が鳴る時計とか......」
「あるよ!目覚まし時計だね、でも時計ってオーダーメイドだし、かなり高いなるかなぁ」
あるのなら金に糸目は付けない。寝坊は俺にとって死活問題だ。
「じゃあ買いに行きたいんだが、放課後に」
「分かったよ。じゃあそれから遊びに行こうか。お買い上げありがとうごさいました~なんてね?」
「ありがとう。ならばそうしよう」とクラスの前で別れる。




