狂信者と昼休み7
「えらく嫌うね。君は修道士にでもなる気かい?」
「そういう訳ではないが......修道士か、ありだな」と冗談めかして言う。
「君らしいっちゃ君らしい」と笑うバルトール。
「そうかもしれない、でもいづれか″役目″は来てしまうからその時は務める」
その役目を果たす頃に俺がまだネルラント・フォン・カンベルを名乗っているということはあり得ないが。
「そういう所もだね。でも僕はそのいっそ清々しいまでの面倒くさがりでありながら″やるときはやる″所も好きだよ」
よくもまあそんなクッサイ台詞を吐けるモノだ。だが、そんな事を言えるからこそモテるのかもしれない。
「そうか。ありがとう」
そして俺たちはそれぞれの注文をして、昼食を貰い、適当な席に座って、食事をしつつ、再び何気ない談笑を続ける。
非常にゆったりとした時間が流れる。
「昼休みはいつまでだっけ?」そうしてちらりと設置された時計を見ると針は一時を指していた。
「えーっと、後10分ぐらいだね」
「次の授業は......礼節科だ」
「それ、のんびりしてて大丈夫?」
何でだ?と首をかしげる。
「礼節科の先生は時間に厳しいんだよ!そんなのに初っ端から目をつけられちゃ......」
「やべぇ、急がないと」
「早く早く!」
そこからは慌てるように食堂を出て、廊下を走って教室へ戻る。




