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狂信者と昼休み4
「そういや、大丈夫だった?」
「何のことだ?」
「決闘の事に決まってるじゃないか」
「その事か。皇女殿下と少数のクラスメイト以外にはかなり厳しい視線が向けられているぞ」
「やっぱりね」
当然それをあらかじめ予期していたかのような口を利く。
「そんなにマズい発言だったか」
「ああ、そうだね。でもあれ以外にはなかった。最善で最悪の手法だよ」
「殿下もお前も口を揃えて同じような事を言う。現状を見てもあれが最善だったのかどうか分からない」
「まあ、上手くやったけど。友達としてはあんまり嬉しくないかな、いつまでも後ろ指を刺されるような事を言われているのは」
「確かに、外聞が悪いのは問題だな。立場が弱い上に仲間も少ないとなれば取り付く瀬がない。やるべき事は山積みだ」
「どうしたんだい、何か困ったことでもあったの?」
コイツは″心を読んでいる″のかと思うほど、勘がいい。




