狂信者と三限目1
授業が終わるとまた次の授業。
次は魔法の座学だそうだ。まあ、このクラスは当然、わりの良い魔道師団に就職するか、軍の大学に進学して士官になるか。
まあそれでも魔道師団に入る人数のパーセンテージとしては少ない。
師団には学校に通わず独学で魔法を学んだという人達が多い。
とはいえ割と派閥争いは少なく、比較的風通しの良い部隊である。なぜなら実力が全てというのが師団の創設当時からのモットーとしてあるからで、中には画期的な論文を発表している者もいる。魔道師団による塹壕戦や、浸透戦術等の、近代戦においても通じる戦術論、補給線について言及した論文。
いずれにしても秀逸なモノが多い。こちらに持ってこれた知識というのも限られていて、不完全なモノが殆どだ。
なのでそこから戦術論文を拝借する事も多い。
それをシステムで管理して部隊内部で共有できるようにしている。
それとは違い、軍の上層部はその戦術らを扱いかねている......手に余っている。
革新的すぎるのだ。
軍上層部から見れば、今までの戦術とは全く毛色の違うモノ。
貴重な魔道師団を本当にそんな成功するかも分からない戦術の試験に使っても良いのかと。




