狂信者と手入れ2
加えて、幾ら重い機材を持って軍事行動をしていたとはいえ、幾らそれに慣れているとはいえ、銃剣合わせて約4kgという重さは近接戦闘において、デメリットともなり得る。
多少の身体強化によって成人男性よりも力はあるが、それにしてもこれを振り回すとなるといかんせん鈍ったい動きになってしまう。
だが、それを差し置いても、ボルトアクション方式の小銃の汎用性というのはやはり一見する価値がある。
連射性に特化した短機関銃やマシンピストル、もっと汎用性の高い突撃銃や、DMRなんてモノもあるが、セミオートやフルオートのシステムをこの時代の製鉄設備で、纏まった数が造れるとは思えない。
非現実的だ。信頼性、安全性、工作精度、整備性、その他諸々を加味した結果として三八式を選定した。
まあ、その元の三八式ですら部品の互換性があったり、無かったりという逸話がある。
だからこそ、手入れは精密機械を扱う気でいなければならない。
そして、弾丸の軸になる、ダブルベース火薬、雷管、真鍮、鉛、銅は今のところ問題なく生産できている。
とはいえ、生産設備、特に鋼鉄や、銅、鉛といった金属類を生産する高炉や、切削機などはかなり老朽化が激しい。
そもそものこれらの設備はシルド王国が栄華を極めた時代に造られていて、なおかつその後の戦乱で保守点検の資料や、設計図の焼失が起きたので、今動いている機材が動かなくなれば文字通り終わりだ。
一応、地球からの知識───所謂、現代知識を使った万が一のマニュアルはあるものの、それがこの世界の製鉄設備に対しても同じように修復しても元通り動くかどうか分からない。
なんでPVめちゃくちゃ伸びてるの(困惑)
一番伸びた時の二倍くらいあるんですけど......
(2021/11/08日現在)




