狂信者とパーティー5
その殆どが女子だった。
俺とナガサワだけ男というが異様な状況だ。正直な話、もうこれだけの人を引っかけた、もしくは手を出したのかというのには呆れる他ない。なんなら俺にとって、ここはSAN値チェックしたくなるぐらいの空間である。
確かに男だからその夢というのも分からないでもないが、これはやり過ぎだ。それにこの女子ばかりの空間で過ごすというのはあまり生きた心地がしない。バルトールでも連れてこれば良かったと後悔した。
「ナガサワ、これは............」
「あぁ、友人に手当たり次第声をかけたら結果的に、こうなってしまった」
「はぁ、男がほとんどいないのは辛いな」
「大丈夫だって、皆いい人達だから」
いい人、か。それはナガサワに好意があるからその対応で良い人と言っているのではないだろうか。
女の本性は分からない。好意の対象がいない場ではどんな会話が繰り広げられているか、いじめられていたのなら、知っているのではないか。それともそれを分かっていて言っているのか。それなら俺への嫌がらせとも取れるが。
この中でどれ程の悪口に耐えれるのか試しているのか。
ああ、駄目だ。ついつい人を疑って、余計な詮索をしてしまう。
冷静にならないと。
兎にも角にも話してみないと分からないという事にも一理あると思う。
そう思って目の前にいた赤毛の子に話し掛ける。




