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狂信者と大隊
そして、それが今の大隊の存在する二番目の理由。
一番目の理由は───これは残酷過ぎるだろう。誰にとっても。
世の中は諸行無常である。矛盾している、いつも上のご意向に、社会の動向に、近隣諸国の外交に振り回される。
何事も諦める事が肝心だ。
だから本来、この課程は必要ない。
ナガサワが羨ましいとは思うものの彼のようにはなりたくないと願う。傍若無人に振る舞うのを見ると、こちら側まで恥を曝しているように思える。
だがあの生き方もそれはそれでアリなのかもしれない。
だが、俺はそれを否定する。
否定する生き方をしたのだ。それに対する″責務″はきっちりと果たす。
自らの思想信条に対しては責任をとる、そしてそれを貫き通す。
これは誰の命令でも、誰の願いからでもない。
これは俺の根本的なもので変わることはない。たとえ、女帝陛下に命令されようとも。




