狂信者の呵責
「おい!!大丈夫かい!大丈夫かいネルラント!」
現実に引き戻される。
「あ、あぁ。バルトール。大丈夫だ」
「とてもそうには見えなかったよ。とても憔悴しきった顔をしていたから心配になって追いかけて来たんだ」
疲れが溜まっているのか、それとも俺の中にある良心の呵責からの忠告か。
「そうか......床の上で寝たせいかな」
「君も今日はゆっくり休む方が良いよ」
全く、自分が殺そうとまでしていた相手に助けてもらう事になるとは......この仕事をしていると自分が嫌になる、時には昨日まで仲間と言えるような人を見殺しにする、もしくは直接手を下す事がある、その度に躊躇ってしまう。俺は国の為と思って全てを捧げてきた、目の前の責任から逃げずに成し遂げてきた。
「そうだな。今日は休む事にする」
俺はバルトールの友達として振る舞って良いのだろうか。その資格があるのだろうか。
国の為というのは粗悪な心の免罪符だ。それを解りつつも尚、冷淡無情に人を騙して、偽って、傷付けて、殺して、捨てて。
誰かがやらなければいけない仕事。
でも俺がやらなくてもいい仕事。
それでも俺が果たすのはこの國がそれに見逢うと思ったからである。この国に惚れた、愛している、いや完全に信じきっているといっても過言ではない。なぜ信じているかと言われるとそれは答えられない。理由が有って信じているのではなく、ただただ無条件に信じている。
その姿はもはや狂信的といってもいいほどに。
そうでないと報われない。
そうしてベットで寝ていると気がつけば夜になっていた。
寝ようにも目がぱっちりとして寝れやしない。
机の上には適当な食べ物が料理しておいてあった。おそらくバルトールが置いていったのだろう。それを食べて、皿を洗って、食器棚に直して少し夜風に当たるために外に出る。
しばらく歩いていると、見覚えのある顔に出会ってしまった。こういう時に会うとは......
直す・・・・関西弁で物を仕舞うときに使う。
誰が報われないのか。
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どれだけ罵倒されようとそれが正論であった場合は素直に聞き入れます。




