悪夢?
黒煙と血肉の匂いのする場所。そこで俺は副隊長兼医療班班長をしていた。今のように充分な、全体的なネットワークが構築されていない頃。
『...撃型識別番号M87》......《試製指揮型識別番号C2》、右腕ヲ.....医...班ノ....遣ヲ..ム.....ア15』
ノイズが入る。なぜなら戦術魔法の撃ち合いで魔力が乱れている場所だから。そのぶつぶつのモールス信号による通信から推測して場所と必要な物を判断する。
『《試製指揮型識別番号C2》ヨ.....撃型識別番号M87》人員......足....為、班長..ムかウ...キセヨ』
そして、怪我した隊員の元へ向かう。ポーションなんて便利なものはとうに尽きているし、薬品も残りがない、残るは医療班による回復魔法しかない。補給線の限界を超えた戦線。そこでは、鳴き叫ぶ声や魔法の着弾は単なるBGMにすぎない。
走っている場所のすぐ隣に魔法が着弾する。それを避けつつも現場に行くと隊員は既に肉片となり果てていた。
近づくと、その肉片に引摺り込まれる。そして気がつけば真っ暗な空間にいた。
「オマエノセイダ......」
どこからか声が聞こえる。
「違う!」
その声は次第に大きくなっていく。
「オマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダオマエノセイダ」
「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!」
必死に否定するも尚も止まらない糾弾。
任務に忠実である必要はあったのだろうか。
作者としてはコイツを殺したいレベルで嫌いです。




