狂信者と食事3
「はぁ疲れたー。これじゃあ夕飯を作る気力もないよ」
「じゃあ作ろうか」
「いや、やめておくよ。昼の事を忘れてないからね」
「......今度は」
「折角だしどこかで食べない?」
余程嫌なようだ。
「そうだな。しかし、どうするか」
「うーむどうしよう......」
そうやって悩んでいると
「こんにちは、ネルラント様、そしてフロスト様」
「ご機嫌よう、偶然ですね」
そこには皇女殿下とクラネがいた。
「皇女殿下何故ここに?!」
「いえ、クラネがたまには外に出て食べてはどうかと言うものですから」
「そうですか私達もちょうど夕飯を食べようとしていましてですね」
「ならばご一緒しませんか?それと敬語はやめてください。私達は同じ学舎で魔の探求をする友です。マリアとお呼びください」
「そうですか、ならそうします。マリア」
「マリア皇女殿下」
「貴方は相変わらずですね。ここまで言っても変わらない」
「すみません」
「謝らなくても良いですよ、もう貴方の心意気は知っていますから」
「さて、じゃあどこへ行こうか......」
「グラタンなどどうでしょう」
「グラタンかぁネルラントはどう?」
「そうだな。グラタンにしよう」
「でしたら私が案内致します。良い店を知っていますので」
そうしてクラネに案内されてその店に入る。
「いらっしゃいませ。ご注文は」
「フィッシュグラタンとオレンジジュースを」
「普通のグラタンとお水で」
「では私は彼と同じのを」
「私はチキングラタンとオレンジジュースをお願いします」
「ご注文は以上でよろしいですか」
「はい」
「では少々お待ちください」
しばらく待つとそれぞれの料理が運ばれてくる。
「「「「いただきます」」」」
「美味しい、クラネさんで良かったんだっけ」
「メイドなのでクラネで良いですよ」
「クラネ良くこんな上手い店を見つけるよね」
「いえ、私は普段からこの辺りでよく買い物をしていますので」
「凄いなぁ」
「以前の私ではこんな店を見つけれる事もなかったでしょう」
「おやおや、何かきっかけがあるようで?」
「おい、バルトール。茶化すな、人にもそれぞれ事情があるんだから、聞いてやるな」
「もしかして知らないのは僕だけかい?そんなツレないこと言わずに~~」
「隠す事もないですし私から話しましょう」
「いや、バルトールには俺が説明する」
「で?」
「偶々、公爵邸宅に訪れた時にちょっとした心理的な問題を解決した。これ以上でもこれ以下でもない。これ以上の説明をさせるならもう一回手合わせするか?今度は本気で相手にしてやるよ」
あんなこと今思い出すだけでも恥ずかしい。
「いやいやえ、遠慮しとくよ......」
「良い判断だな」
皇女殿下とクラネはクスクスと笑っていた。
そんなこんなで和気あいあいとしながら食事をする。




