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国粋主義の狂信者  作者: AAKK
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狂信者と博打師の皇女殿下

「隣、失礼します」

「これは皇女殿下、ご機嫌麗しゅうごさいます、お邪魔でしたね、私はこれで」

といって去ろうとする。護衛対象ではあるがそれは最低限の関わりがあればいい。

 ″もしも″の時は、帝国軍が介入するまでの時間稼ぎをすればいい。

「まって下さいまし、貴方が今戻ればまた、求婚攻めに会うでしょう、私といればそうはなりません」

「皇女殿下はよろしいのですか、私と居てそれこそ勘違いされるのでは」

「それでも構いません、私は人の多いところは好きでないので」

「そうですか。では引き続き、星空を見ましょう」

そうして暫くすると皇女殿下が口を開く。

「星空を見てると私の悩みなど、ちっぽけなものだと思えますわ」

「私もそう思います。星空の前では人の貴賎なく上下なし、ただの人にしか過ぎない。何かお困り事がおありでしたら、私でよければお聞かせください」

「仮にも王位継承権第一位の前で貴賎上下なしと現体制に楯突くような事を言うとは、貴方中々面白いですわね」

「いえ、そのような意図はございません。不快にさせてしまったのならば誠に申し訳ごさいませんでした、この詫びはなんなりと」

「フフッ冗談ですよ。一つ私の悩みを聞いてくれますか?」

「はい」

「私は知っての通り、前皇帝の子として生まれました」

「それがどうかしたのですか」

「一般的に言われるように前皇帝に可愛がられていた事なんてありませんでした、実際はその様な事はございませんでした」

「それは......どういう事ですか」

「私は兄の″ついで″でしか無かったのです、兄が少し、私を気にかけているからこそ存在できるに過ぎなかったのです。しかし、姉様は違いました。妾の子で父からの風当たりも強かったでしょうに、それでも私の遊び相手になって下さり、面白い遊びを幾つも持って来て下さいました。そして内戦が始まると私への待遇は改善されましたが、姉様が来なくなってしまったので、私は退屈でした」

「しかし、女帝は前皇帝を殺し、皇女殿下に目をかけてくださっていた、第一皇子も自害を強要した、それについて反感は沸かないのですか」

 そういって横を見ると皇女殿下の目から光が消えていた。

 自分が失言してしまった事を悟る。

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