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『太平万国記』に書かれた当時の魔王国のようす
以下は当時の魔王国、クロイセン、それぞれの国内向け条約締結宣言(一部抜粋)である。
「朕は先王の恥辱を晴らし、旧領を回復するに至った。帝国の″賎しい商人″より旧領を買い取ったのだ。しかし、その結果として多額の金を請求されてしまった。だが、ここでそれに腹を立てては帝国の商人と同じである。重税が課せられると思っている者も多いだろう。ここに宣言しよう!我が国は増税をしない。代わりに王室資産と給料より支出する!」
それを聞いた魔王国の国民は歓喜し、それが出された日の内に国中に知れ渡り、街中が狂喜乱舞のお祭騒ぎであった。この時ばかりは、魔王国の貿易利権で競っていた大秦、タブラナ、グラン朝の商人と同卓し、その文化的差違について談義していた。なぜなら条約の内容と魔王国軍の大敗を知っていた、私たち外国商人からすれば、それはとても奇妙に思えた。魔族とは負けて喜ぶのかと───著者不詳『太平万国記』より。




