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国粋主義の狂信者  作者: AAKK
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狂信者のお仕事9

 聖歴652年2月9日

『《大隊長》より全隊員に通達。現時刻より移動を開始。作戦地域へ侵入する。作戦行動中は関連連絡を最優先。以後、連絡簡略化の為、電信と無電を併用する』

 返答の打電は返ってこないが、闇夜に包まれた中、黙々と進軍する。

 作戦開始まで一切の無線封鎖。

 RSA暗号だから解くには多少の時間はかかるし、それまでは意味不明だろうが、それでも通信量が増えるというのは当然、作戦開始が近いということであり、それを悟られるのを防ぐ為である。

 こちらが傍受しているとき、またあちらも傍受している可能性がある事は忘れてはいけない。

 それにしても1000人近くの少年少女が列をなして闇夜の街道を行進しているというのは中々に恐怖である。

 先に進軍した乙、丙部隊は既に配置についたとの一報が進軍前に入った。

 加えて、現地の味方は訳の分からない兵器に指揮官達をやられたことで大混乱、士気と大量の人員を失って、食糧の窃盗やそれを巡る殺人などが起きているらしい。まさに最悪、無秩序の極みである。もはや軍としての体裁を成していない。

 カンベル軍務卿が直接の指揮を執っている訳でもないから軍務卿の隷下部隊の作戦に対する如何なる協力も得る事はできない。″現実改変″がなければもう少しマシな状況になったのかも知れないが。

 だが、あれが無ければもっと大変になっていたのも事実。

 ともかく今は作戦成功までのシミュレーションをするのみ。

 途中幾つかの魔物や盗賊の襲撃があったものの、丁寧に葬ってやった。

 しかし、盗賊はともかく帝都が近いというのに魔物が活発化しているというのはかなりマズイ。

 今回の主力は獣人族を中心とした近代陸軍の部隊。魔族が表立って戦場を縦横無尽に暴れているという報告も聞かない。

 もちろん普段通り対処されていたら、単純な戦力差で押切れていたのならば、そこまで脅威になるようなそれではない。

 魔物を操り帝都襲撃ともなればクロイセンの面目は丸潰れ。

 そうなれば瞬く間に終焉への道をまっしぐらだ。

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