狂信者のお仕事8
幸いな事に気性は穏やかで、言う事もかなり聞いてくれる。流石は騎士団長の選んだ馬といったところ。
『《連絡士官》より《大隊長》北方にて大規模な動きアリ、″砲″と″赤布馬車″を受領し急行せよ』との一報が入っていた。
まあ当然っちゃ当然か。それしても女帝陛下はこの事態にどうやってケリをつけるのだろうか。
戦争は始まる時から終着点、つまり講和の事を考えないといけないというのは有名な話で、かの日清、日露の時は戦争が始まるや否やそれを模索し始めたとかなんとか。
それにしても今度の戦は急に仕掛けられた、完全に予想外の物だ、オマケに少々......いや大分、相手を煽り過ぎた。相手に優秀な外交官が居れば良いのだが。
結局、管轄外の事物は幾ら憂いてもどうにもならない。他力本願、これに限る。
今はただただ自分のすべき事をするだけ。
複合ホログラムで西方以外の隊員の場所を表示させる。そこから比較的帝都に近い隊員を十糎野砲の受領を向かわせるように指示を出す。
『《大隊長》より全隊員、聞いていると思うが魔王国より戦争を仕掛けられた。西方は現状維持、休暇中の隊員は二日以内にたどり着ける者は北方戦域へ。合流地点は縦軸60.34.84.267、横軸55.64.12.146。途中、帝都で牽引式十糎野砲十門を受領する。下記の隊員《補給員26-30》、《中距離連射型C3-10》、《長距離砲撃型A37-46》が野砲、弾薬を《補給員27-48》が赤色の布で覆われた馬車を受領。その後合流地点へ』
合流地点へ近づくにつれて、ホログラムの地図に敵味方の識別が表示されるようになるのだが味方は現在、全速力で敗走中。戦線が崩壊し始めている。急がねば。




