狂信者のお仕事7
「............黙って聞いとったら.........」
「ん?」
「黙って聞いとったら、ぴーひゃら、ぱーひゃら、己の理想主義を語り腐って!!その癖自分以外の思想を認めんアホが!お前は考えを語るばーしょって!何が現実主義や!お前のやっとることは何か知っとるか?テロリストや。その小さい脳ミソで耳をかっぽじって聞いとき!お前のやっとることは子供の我がままと変わらんねん。第一な、″魔王とかいう一国の独裁者″に平等やら差別を無くそう言われても、一個も心に響かんわ!」
言い終わると同時にパァン!と二発目の発砲、奴の減らず口を狙ったが案の定、躱されて壁に弾が刺さる。
「これが俺の答えや。なぁ、いチビり散らすのもエエ加減にせぇよ、このクソガキ!」
「そ、そうか、残念だ。お前は死ぬに惜しい人間だが、仕方ない」と聖剣を抜くナガサワ。加えて記憶の一部分を意図的に読ませる。
「動揺しとんのか、自分が魔王とバレてると思わんかったか?それとも否定されると思わんかったか?どちらにせよお前顔真っ赤やぞ、おもろいなぁ!!」
「......黙れ」
「え?なんてぇ?声がちいさて聞こえんわぁ~」と耳に手を当ててナガサワを全力で煽る。
「黙れ!!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!!」ドンと床を踏み、罅を入れ、俺の首を取ろうと目の前まで迫る。
「おっと危ない危ない。危うくそのチンケな鉄剣か、木刀か知らんけど当たるとこやった」躱して攻撃に繋げようとするも向こうの速さに圧倒されてしまう。
「聖剣だ!舐めるのもいい加減にしろ!」
キンキンと何合かやり合うが、流石は聖剣。
一回それが、刃に当たるだけで装着していた銃剣はなまくらになってしまい、オマケに射線がその鉄塊で遮られてしまった。
ああ、貴重な鉄鋼で造った銃剣が......とはいえ向こうが完全に血が上っているお陰でこちらのペースで事が運べている。自分で設置したであろう魔方陣を自分で物理的に破壊している。
魔方陣に物理的な破壊は、解除するのに比べて荒々しい方法なので、罠を仕掛けられているのなら間違いなく、推奨されない行為だがこの場合は奴がそれを皇女殿下とレドル嬢に仕掛けれない事が分かっている。
なぜなら奴自身が破壊しているからだ。
一旦距離を取って弾を薬室に装填。
後はトリガーを引くだけで弾は出る。そして銃剣を外れやすいように留め具を調整。
祝福が発動しているのか、ナガサワは剣の動きに引っ張られていて、端から見るとかなり面白い光景になっているだろう。
動きがタジタジなのは聖剣がそれほどまでに扱い辛いか、素人で全く触って来なかったかのどちらかだろう。
そうして突撃をカマして装着していた銃剣を聖剣で無理やり断ち切らせて、射線を確保する。
金属同士が擦れ、火花が散る。
そして二人の間に何もない、そこを狙ってトリガーに指を掛けて引く。響き渡る銃声。
僅かに逸らされた銃身とナガサワの頬から滴る血。
その余韻に浸る間もなしに、そのまま銃身で奴の顔を殴打する。
それでよろけたのをすかさず銃を放り出して聖剣を躱し、無理やり小外刈りを掛ける。そして予備の銃剣を取り出すが、寸での所で止められる。
マズイ、動かないっ!
そのまま力で押され、そのままどかされて立ち上がられる。正直侮っていた。
コイツは魔法抜きにしても強い。
これじゃあ勝てん............なら────




