狂信者とバルトール4
しばらく歩いていると開けた場所に出る。
「ここ、お気に入りの場所なんだ」
「........................綺麗だな」
目を向けた先にあったのは──
色とりどり、満開の花畑、一月の末ともなればまさに花見の時期、こちらでもそういう行事はあるのだろうか。
花の種類は分からないが、綺麗に色分けされていて、色褪せているような部分もない。
これは恐らく人為的な物だ。
帝国でこれほど区分けが行き届いている物は知らない、帝立植物園ですらこれには及ばないだろう。
「これ、お前が植えたのか」
「いや、さすがの僕でもこんな事はできないよ。ただ、ヴィタメールには何度も来たことがあってね、幼い時に見つけたんだけど、それから何にも変わってない、いやむしろ輝きはその時よりあるかもしれない」
「きっと、誰かが丁寧に管理しているんだろう」
「そうだね」
そうしてしばらくその花畑の周りを歩く。
周囲に目を凝らしても動いているモノがいない、尚更怪しい。
普通の森であれば、野生動物の一匹や二匹いても、おかしくはない。
「なあ、バルトール。この森は自然か、植林されたものか」
「ん?何でいきなりそんなことを......」
「取り敢えず今はそれに答えてくれ」
「もちろんこんなの植林じゃないよ」




