狂信者とバルトール1
途中で露店商から串焼きを買って食べながら街を歩く。街の様相というのは変わらず盛況を呈しており、今旬の春野菜や、果物等が比較的安く売られている。
「じゃあ、最初はどこ行く?」
「まずは時計屋に行かない?君の目覚まし時計を買いにいかないと」
「分かった。行こう」
そうして向かうのはフロスト商会ヴィタメール支店。
「どんなのがいい?」
「正確で壊れにくい物がいい。目覚まし時計として機能するなら何でも」
「うーん。じゃあこれかな」とバルトールが差し出したのは円形の時計の上にベルと取っ手がついていて下は棒で支える形の、地球生まれにとって馴染み深い、見たことのある形だった。こちらに来てからは目覚まし時計なんて一つも見なかったので少し懐かしく感じてしまった。
「ああ、これにする」
「でもね、これ......魔石を買って嵌めないと動かないんだ」
「大丈夫だ。多少の出費は覚悟している。幾らなんだ?」
「魔石も含めて小金貨3枚と大銀貨6枚......」パン一つがだいたい、大青銅貨一枚、日本円換算すると約100円。これに則って換算すると約260万円。現代日本人であればとても馬鹿馬鹿しいと感じる値段だろう。だが、ここは日本ではないから、ある程度の品質を保った時計などというものは高級品になる。
少し引いてしまいそうになる値段だが背に腹は変えられないので買おう。




