狂信者と楽しい昼食()
雷属性魔法を使った高速戦闘を得意とするサディーニャ、土属性結界を使った嬲り戦術のバイエルン。
どちらが勝つだろうか。
結界が使え、準決勝まで上がってきた分バイエルンが有利なようにも見えるが、サディーニャは結界から逃れることができたならばバイエルンは二度とサディーニャを捕らえれないだろう。
あの速さを捉えるにはそれについていく動体視力とノータイムで魔法を発動する力を必要とする。
純粋な実力であればバイエルン、戦い方ならばサディーニャにそれぞれ軍配が上がる。
そんなことを考えつつ、食堂の席につく。
「どうしたのですか、ネルラント何やら考えていたようですけど」と不思議がる皇女殿下。
「少しだけ考え事をしていたので」
「そうですかならいいのですけど」
「君らしいね」とバルトール。
「大丈夫か?」とナガサワ。
面倒くさいメンツが揃ってしまった。
バルトールとナガサワは思想的に相反するし、ナガサワと皇女殿下はそこまでの事にはならないにしても、その二人の間には溝が生まれて気まずい雰囲気になりそうだ。
ナガサワもその類いの話を皇女殿下やバルトール相手に避けるほどのお人好しではない。
むしろ積極的に身分の高い人に対して、そういった話をして相手を説得する。
賛同しなければ同じ人間同士だとか、人類平等だとかいうような訳の分からん話を更に広げるだろう。
獣人族や魔族、エルフや竜人族など生物学的に人類といって良いのか分からん微妙な奴らに対して安易に人権などと言うのもあまりに幼稚な理論だ。
単純にバルトールと食事をしようとしただけなのに......どうしてこうなったと叫びたい気分だ。
今はそこまでの雰囲気でもなく、楽しく会話しているようだが。




