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狂信者と魔法実技20
「皇女殿下、準備はできましたか?」
「はい。完璧です」と余裕そうな笑みを浮かべる。
自信満々、絶好調といった所か。
「最善を尽くしましょう、皇女殿下」手を差し出して握手をする。
「はい、そうですね。負けませんよ」
「私もです殿下」
「両者距離をとって!」
時間一杯。遂に試合が始まる。天候は晴れ、気温は摂氏20度前後、空気中の魔力は多少乱れているが、こちらに有利な状況下ではない。
そして皇女が杖を構える。
誰が言ったか、それは『帝国の杖』と呼ばれる。
元は建国に携わった偉大な魔道士の杖と謂われているが真偽のほどは定かでない。
それでも綺羅びやかな魔道的装飾と年季の入った″みてくれ″からして業物に違いない事は明らかだ。
「試合始め!!」
「《マジックスミット》」
同調者だけの魔法。それ以外での用途はない。
空中の魔力波を使おうとしている。
なら、変えてやる。ぐっちゃぐちゃにしたる、それが意味なくなるぐらいに。




