狂信者と魔法実技19
ほぼ無尽蔵といってもいい魔力と整った環境。
唯一勝ち目があるとすれば開幕速攻で、叩きのめすしかない。皇女殿下も当然それを予測しているだろう。
そうすれば《アイスバレット》が四方八方から飛んでくるだろう。
一つでも食らえば当たりどころによっては致命傷になりかねない。
厄介でしかない。気候に、体質、そして才能、全てあちらに分がある。唯一、こちらが優っているとすれば、それは恐らく経験だろう。
幾つもの戦場を生き永らえてきたその勘と、精神力、頭の機転、そして雀の涙ほどしかない運。
こんなものは本来、勝負にすらない。
それこそナガサワでもなければ勝てない。
クソゲーだ、こんなもの。
だが、負け戦ではない。
ナガサワと戦った時よりは勝ち目がある。
決勝ともなれば緊迫感は段違いだ。
しかし、ほとんどの人の願望はその目から伺える。
皇女殿下の圧倒的な勝利を求めているのだ。
その中には庶民派も混じる。完全なるヒール、ダークホースに対して派閥関係なく団結する。
その当事者でなければそれに混ざることぐらいはしたかもしれない。全くもって素晴らしい友情だ。
クソッタレ。
今、感じている疲労感、倦怠感も少し休んでとれるほどの軽いものではない。
だからといってそれを理由にして負ける気は全くもってない。




