狂信者と魔法実技11
「それはどうも、そちらこそ雷魔法を見事に使いこなせていた、感心するよ。その年でできるレベルじゃない」
間違いなく、サディーニャは大成するだろう。
「勝った相手に褒められるとは......まあ、素直に受け取っておくわ、また戦いましょ」
はっきりいって、めんどくさい。
「二度とごめんだ、次サディーニャと戦えば、勝てるかどうか分からない」
「貴方がまたこうやって次も勝ち上がってくれれば必然的に戦う事になる。その時を楽しみにしているわ」
「そうか、ならば腹を括るしかない。またいつか戦おう」
互いに一礼してその場から離れる。
ふぅ......疲れた。これだけ頭を酷使すると疲れが体に廻ってくる。
だが、救護班には行かない、というか行けないのだ。
中盤戦になってくると試合も激しさを増してかなり苛烈なモノになった。
そのせいで、救護班の仕事も忙しくなってゆき、かなりの負傷者も出た。
今やクラスの中で無傷な人など少数だろう。殆どはその身体のどこかしらに小さな擦り傷や、火傷の跡がある。
斯く言う俺もさっきの《ライトニング》で足を負傷した、焼けたような痛みがするが、普通に試合をする分には困らない。




