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狂信者と魔法実技8
まあともかく、今は一つずつ勝ちを重ねていくのが先決だ。
「次!エリー・サディーニャとネルラント・フォン・カンベル!」
次の相手は女子だ。俺はあまり女性が得意ではない。かといってゲイという訳でもない。
ただ、腹の内で何を考えているのか分からないから怖いのだ。
それは男女関係ないだろうと思っていてもやはり違う。男の場合、腹を割って話せば大抵なんとかなる。
女子というのはそれをあまりしたがらない。
分からないからこそ、怖いのだ。
それが言動や態度にあからさまに出るわけではないがふとしたときに話し掛けられると動揺してしまう。
「初めましてよろしくお願いします」と一礼すると向こうも黙って返礼をしてくれていた。
試合も大詰めになってきたからか、緊張がはしる。
他試合でもヤジは以前と比べて格段に少なくなっている。
この試合の緊迫感は嫌いじゃない。




