俺のハーレム人生開幕
「うーん。入学の手続きはこんなものでよいじゃろ。
あとは、制服のサイズくらいじゃな。」
「...ん?制服...?女子校....?まさか。。。」
俺の頭の中に危ないことが浮かんだ。
「では、蒼ちゃんこれを着てくれ。」
そう校長は言うと俺に、
ブレザーとカッターシャツ、、、、
そしてスカートを渡してきた。
(....んーやっぱり。。。
流石にスカートはまずいよな。。。どうしよう。。。)
『蒼どうした?何か嫌な顔してるぞ〜?』
助け舟を要求しているのが伝わったのか父さんは俺に気がついてくれた。
(父さん!たまには俺の気持ちもわかってくれるんだね!)
『あっ、そうか蒼!俺には分かったぞ。洋服のサイズが合わないんだな。
玉田先生!蒼にLは大きすぎっすよ。M持ってきてください。」
....前言撤回だ。あのクソ親父には俺の考えていることなどわからなかった。
(てか、男子が女子のMサイズなんて入るわけないだろ....何考えてなんだあの人...)
俺は、乗り気ではなかったがこの学校に通うことになってしまった以上、制服を着てみなければいけなかった。
「えーっと。こう着て、、こうして、ここを閉めてと。」
............。
(やばい。入った。ピッタリだ。)
俺は元々身長が低くて背の順でも前だったけれどここまでとは思っていなかった。。。。
いやでも、スカートは恥ずかしい。。。
俺の女装姿をみた父は口を広げる。
『おぉ、似合ってるぞ。蒼!髪もこうして、こうしてピンをつけたら......ほら!完全に完璧!。』
(....どうして、このおっさんはこうも乗り気なんだろう。)
こうして、俺は、見た目は女の子になったのだが....
「はぁ、、栗日高校に通うことになった以上、我慢してスカートを履き続けるしかないか....」
俺はボソッと口に出した。
「あっ、今更じゃが、スカートじゃなくズボンもあるぞ。」
..............................。
校長のこの言葉に俺は怒りを覚えた。
(............ッチ はよ出せやクソ校長!!)
「いやいや、最近は、性差別に厳しくてな。一応女子校の高校でも、ズボンかスカートか選択できるんじゃ。」
『へぇーそうなんっすね。まぁ、でももう履いちゃってるしスカートでいいy...』
「「いや、ズボンにさせてください。。。」」
俺は、変態親父の意見を無視し、ズボンを選択した。
(結局スカートを履き損しただけだったな。)
こんなことをして2、3時間ぐらいが経った時、父は壁にかかっている時計を見た。
『....ん?ヤッベー!仕事遅刻だー!!
あとは、玉田先生。蒼を任せました!!。』
父さんは颯爽と、応接室を出ていった。
(異動初日から遅刻かよ。。。。)
俺は心の中でそう思った。
「さてと、
では、今日から授業を受けてもらおうかのぅ。
今の時間帯的にもうすぐ3時間目が始まる頃じゃ。」
「えぇっー、今日から授業受けるんですか?っていうか、始業式なのに授業あるんですね...」
「うちの高校はそうなんじゃ。そして、君のクラスは、2年10組じゃ。。。えーっと、3時間目じゃが、、、おう、丁度良かった。月見里先生!この娘が、今日から編入してきた佐藤蒼ちゃんじゃ。次の時間は授業何かわかるかのぅ?」
校長が、応接室の目の前を通りかかった女性を呼ぶ。
(この人が、今日から俺の担任か。。。美人だな...)
「あら、この娘が新しく入った。。。あっ、校長先生次の時間はHRです。」
校長の質問に答えるとすぐに俺に話しかけてきた。
「蒼ちゃん。なかなかボーイッシュだけど何か部活をやっていたのかな?」
「あっ、いや俺は...」
俺は、男ですよっと担任に言おうとしたが、校長に止められた。本当に一切外に漏れないように警戒しているみたいだ。
「...ん?今俺って??」
「あっ、いや、今、お、折れたバットって言おうとしたんです!ま、前の学校では、わ、わわ私野球部でしたから。」
俺が野球部だったのは本当である。だけど、センスがなく幽霊部員であったが....てか、動揺しすぎだろ俺。。
母さん以外の女性と話すとこうなるんだよな。。
そんなことを考えている間にも先生からの話のボールが飛んでくる。
「へぇー、蒼ちゃんって野球部だったんだね〜。
残念だけど、うちの高校には、野球部ないんだよ。ソフトボール部はあるけれど。
私、ソフト部の顧問やっているからよかったら入らない?」
「い、いやー遠慮しときます。」
俺は、美人な先生が顧問のソフト部をやんわり断った。
....ちなみに言っとくが俺が、ソフト部を断ったのは、ソフトボールが嫌いだからじゃない。野球部でセンスがなかった俺は、もしも女子しかいないソフト部で活躍できなかったら恥ずかしいからだ。
「じゃっ、見学だけでも来なよ〜。ってヤバっ。もう授業始まっちゃう!蒼ちゃん行こうか。」
月見山先生は俺の手をつかんで俺を教室へと向かわせようとした。
「っわっっわーー。」
俺は、咄嗟のことで先生の手を振りほどいてしまった。
「ひ、ひとりで歩きますから!」
それもそのはず、今までまともに女子と話してこれなかった俺が手を握られてびっくりするのは当たり前である
。
「あっ。なんかごめん蒼ちゃん。じゃあ行くよ!。」
こうして俺らは、2年10組へ向かった。
ガラガラガラ
「みんな、席着いて〜」
月見山先生がそう言いながら教室へ入っていった。
俺は、廊下から教室の中の様子を伺う。
(うわぁー、本当に女子しかいないなぁー)
俺がそんなことを考えていると、後ろの方の席の女子が、先生に話しかけた。
「せんせーい!ここの席って前はなかったけれど、誰か転校してきたの?」
「一さん流石だね〜。
では、転校生の蒼ちゃ〜ん、来て。」
俺は、女子達の拍手と転校生に対する歓声に包まれながら教室へ入っていった。教壇の上に立った俺に先生が質問を投げかける。
「じゃ。蒼ちゃん自己紹介どうぞ!」
(えっ!いきなり。)
「えーっと、お、おれ、あっ、いや、わ、私は、擦馬県から来た佐藤蒼です。よろしくお願いします。」
女子しかいないこの緊張のある空間の中、俺は、あたふたしながらも、自己紹介を必死にした。
パチパチパチ
自己紹介が終わるとみんなは優しく拍手をしてくれた。
「じゃあ、蒼ちゃんは、そこの窓側の皆月さんの隣が席になります。」
先生が空いている席を指差しそう言った。
俺は、自分の席に向かっていった。その間に隣の席の人と仲良くなるため俺はこんなことを考えていた。
(よし、これは、今まであれだけ熟読してきた
「陽キャになれる本」に書いてあったことを使う場面が来たな。いくら女子が相手だとはいえ、俺も陽キャには憧れていた。
陽キャになるためのその方法
其の1
おどおどしない!
其の2
積極的に!
其の3
自分から話しかける!
以上!
全部同じことを言っているような気がするが、まぁいい。この学校では
陽キャになるって心に決めたんだ。よし、実践してみよう!)
隣をチラ見する。もう一度見る。また、ガン見する。
(うぅー。駄目だ。流石に女子相手ではきついな。。。)
俺が、こんなことをしていると、
「え?どうした?私の顔に何かついてる?」
見た目は優しそうな元気系の隣の席の娘が話しかけてくれた。
(やべー、チラチラ見てたのバレてたんだ。)
「あっ、、いやいやいや、なななななにもつつつついてなななないよ。」
俺は、めちゃくちゃ動揺し、顔も逸らした。心の中はいつもクールにって決めているけれど、それどころではなかった。
「ふ〜ん。それならいいけど、、あっ。そうだ。私の自己紹介まだだったね。
私、皆月。これからよろしくね。佐藤さんって珍しい苗字だね。言いにくいから蒼ちゃんって呼んでいいかな?」
(え?佐藤って名前珍しいか?クラスには、1人必ずいるくらい珍しくないと思うんだけど。。。
まぁいい。とりあえず返事返さなきゃ。。。)
「あ、あん?(怒り気味」
「.................」
(や、やべー。やっちまった〜。
全然女子と話さないからつい緊張しちゃって少し口調が悪くなってしまった。。。
どうにかこの失敗を取り戻さなければ....)
「い、いいよ(ちょっと裏声)」
「やったー!じゃあ蒼ちゃんこれからよろしく!」
(良かった〜。さっきの全然気にしてないみたいだなぁ〜)
俺は、ほっと胸を撫で下ろした。
すると次は前の席から声がしてきた。
「蒼ちゃんか〜。よろしくな!」
「き、君はさっきの一さんだっけ...?俺が、、あ、いや私が教室入る前に先生と話してた...」
「そうだよ!蒼ちゃん。
いや、蒼って呼んでいいかな?
てか、駄目って言ってもそう呼ぶよ。蒼。」
(わ〜お。グイグイくるなこの人。)
この後、斜め前の席の門崎さん。...など
たくさんの人が俺に声をかけてくれた。
緊張して、あんまり話せなかったけど。
まぁ無事っちゃ無事に高校生活は幕を開けた。