序章04 アレクシアは5歳です 転生しました
2021-01-03改定
✕✕運輸さん到着はまだなんですか!
あと少しだけお待ちください、あと少しですから
頼みますよ✕✕さん因みに違約金はきっちり請求しますからね
そんなああああ・・・
「ああああああっ」
「お嬢様大丈夫?ですか、元に戻っちゃいました?朝ですからもう起きちゃいましょう」
「あ、夢か…」
前世の仕事にぼわれる夢を見たが、目覚めれば元の生活に戻ってる事を若干は期待したが無駄の用だった…
やはり見慣れぬ天井か。
「おはよう、ジェイダ少し夢にうなされただけだから」
「顔を洗って着替えましょうか」
そうして着替えさせられると、昨日と違って少しフリルの付いた紺色の可愛いワンピースだ、わーい…
「どうしたんですか浮かない顔して」
「もう少し…ズボンとかが良いかなっとか」
「何言ってるんです、お漏らししたりするからズボンなんて履かせません、トイレに間に合わずお漏らしは確実です」
「そ、そうなの?」
「それがお嬢様ですヨ」
そうしてジェイダに丸め込まれると、朝食を取ることになった。
硬めのパンと葉っぱ系の野菜のドレッシング掛けと牛乳らしきものである。
取り敢えずは体力を取る為に食事を取るが、牛乳モドキが糞不味い。
しかし健康に良いとかで子供には必ず飲ませるそうだ、健康飲料だね。
そして食後になると何もする事が無い、そこでジェイダを呼ぶことにした。
「ねえジェイダ退屈です、どうしましょう?」
「そうですかそうですか、ならばお嬢様お外でお散歩をしましょうか♫
みっちりとね」
「ヒー!!」
そしてまた簡素な茶色のワンピースに着替えさせられる、理由を尋ねるといくらでも土の上でも倒れてもいいようにとの配慮だ。
泣かせるねこのメイドは糞っ、コケる事前提にしていやがります。
いけないいけない俺は子供私は子供。
外に出るまでは階段以外は転びながら歩いています、それを使用人やら
役人ぽい人達が怪訝そうに俺を見て行きます。
物凄く嫌われてるぽいです。
階段をお姫様抱っこをされると胸が腕に当たるので手のひらをぐいぐい押し付けてみると
睨まれました。
そして再び歩き出すと声を掛けられました。
「アレクシア散歩なのか?もう歩けるのか?、無茶をするなよ、ジェイダも目を離すなよ」
「はいお父様気を付けます」
「はっ御当主様」
ジェイダが顔を引き締めて、すぐに直立不動から父様に会釈をしています。
当たり前だけど、雇用主の前だときちんとした態度を取り思いっきり舐められてるよねと実感する。
このまま酷い扱いが続くならお爺様に相談してみよう。
(これが普通なんだよな(小声))
父親の呟きをしっかり拾えて少し気分がシュンとすると、頭の上に軽く手を乗せ軽くさすると別方向へ去っていった。
「お嬢様行きますよ」
「うん」
そして今日の玄関口は人の出入りも多く危険なので抱っこされて裏庭へ移動する。
広い芝に花壇や畑や貯水池などがある広い庭だ。
「ねえ、ジェイダ、ここは何ですか?」
「お嬢さまがお好きな元庭園跡の花壇ですよ、庭園跡に咲いてる雑草を見て大喜びしてたじゃないですか、私にはよくわからないですが?」
んんんジェイダにそう話を振られて周囲を見渡すと、咲いてる草花の種類がなぜかわかってしまう、食用草・薬草・毒草、少なくとも観賞用の花畑ではないな。
何故わかるんだろう?これがチート?
暫くすると、何とか一人で歩けるけれるようになったので、今度は片手だけジェイダのスカートの裾を摑むとゆっくりと歩いてついて行く。
そして中年の庭師の男の所へ連れてこられた。
「これはこれは、お嬢様とジェイダさんおはようございます」
「おはようございます×2」
「もう歩かれて大丈夫なのですか?」
庭師が私にちらりと視線を向けるとジェイダに話しかけるとジェイダが作り笑いっぽく受け流す。
「まだぎごちないですが歩く練習中です、それでバートンさんにお願いがあるのですが」
「何です?」
「私、少しお花を積みに行きたいのでその間にお嬢様にお花の説明でもしていただけたらと思いまして、いつも通りいいでしょバートンさん」
少しあざといポーズを取って頼んでいるのが横で見ていてわかる。
「お、俺も朝の段取りがあるからな」
「あ、虫が中に」
そうジェイダが言うとゆっくりとスカートを摺り上げてバートンさんに見せつけている。
無論バートンさんはガン見。
そしてあと少しでこれはという所に来たらピタッと止めて
「いいですねバートンさん」
「おおう何でもするぞ」
「お願いね」
そう告げるや否やスカートをすぐ元に戻し姿勢を正すと私に告げた。
「お嬢様、私が戻ってくる間はバートンさんのいう事をよく聞くのよ」
「わかりました」
「おい、もっと見せろよお!」
ねえ、これって職場放棄でしょ、さぼりでしょ、知らないところに置いてくなよー
バートンの懇願を無視すると、そのままジェイダは館へと早足で歩いて行った。
そしてジェイダの姿が見えなくなると男が近づいて来た。
何やら手に子袋を持っている。
「お嬢様、今日はいつもと違って大人しいな、頼まれていたアレを持ってきたぞ」
「何のことですか?」
不意にバートンに告げられるが当然思い当たる事はない。
「クガの実だ、あれが欲しいから何とかしろって頼んだろ?」
「知りませんよ」
「何を今更、手に入れたら好きにしていいって言われたからな、ほら受取れ」
「え、何ですか?」
そしてバートンが私に覆いかぶさってくる、この子供の体だと大人の男に
寄ってこられるとものすごく怖いぞ。
ピーーーーーーーーーーーーーーーー
「あーんんあーーーーーーんあーーーーん」
「お嬢様どうされたのですか?バートンさんいったいどうして?」
「ああ、お嬢様が花に手を伸ばしたら蜂に纏わり付かれて泣き出したんだ」
私の頭の中は恐怖で混乱して何をしていいか分からず泣く事しか出来なかった
そして鈴木正樹としての自我が弱くなってゆくのを感じると共に
意識が遠のいてしまった。