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前章その19 アレクシアは8歳になりました

晩餐の場に付いた私はお爺様から一番離れた位置に付き隣にマーティン兄さま、

対面にお爺様付きの騎士様が席に着いている。

私たち辺境伯一族の晩餐に同席しているのだから

それなりの地位の人達なのかなと推察する、御爺様から聞きそびれっちゃったな。


香辛料を効かせたニューブランドル特有の味付けされた肉料理をついばむ。

海が遠方だから海魚料理が高価であまり食べられないのが難点。

塩漬けや干物以外が食べたいです特にお刺身って…いかん、いけない。

そして向かいの騎士様が私を見ているので、話しかけてみる。

紹介だと美中年がユーテライネン様、刀傷男がカタヤイネン様でした。


「騎士様達は王都から見えられたのですか?、遠路はるばるの訪問ですけれど


気力・体力充実されているとお見受けします、何は秘訣でもおありでしょうか?」


「おお、これはこれはアレクシアお嬢様、見立てる所が興味深いですね


王都まではゲートでしたが、王都からは馬で駆けてきましたよ、物見雄山ですよ」


折角ですから詳細を尋ねてみることにした。

貴重な冒険譚が聞けそうです。


「盗賊とかの襲撃は会われなかったのですか?」


「ええ、まあ地に還った者達はそれなりにいましたけど、普通でしたよ」


「何言ってるんだ、お前も大喜びして槍を振るっていたくせに」


「カタヤイネン様も凄腕ですよね、いかかでした?」


「おおこの手の話に興味がお有りで、御母上のアリアーナ様と同じですな、


剣の錆にしかならない連中ですよ、王国直轄地では小規模の集団ばかりですな


ニューブランドルに入ったら一切襲撃には会いませんでしたから、


治安が良く保たれておりますぞ、さすがは辺境伯様の治世は凄いと


実感いたしました。」


「お母様ってこういう話が好きだったのですか、意外です」


「いえいえ、幼いころはお転婆で貴族の行儀習いよりも外で狩でしたから」


「へーー」


「こらぁ、ニィル余計な事は話さないの!真似されたら困るでしょ!」


「へ、へい、リアお嬢も御子がいるのに変わりませんな」


「変わりました!」


普段は見せないお母様の物言いに、隣のマーティンを驚いて見ている。

普段は凛々しいお母様しか見た事無いから新鮮です。

ですがクローイ御婆様は顔を顰めてはいます。


マーティン達は話しかけないので、私が二人を独占する形で話し込んでゆく。

そして旅の話やらを聞きながら、食事を取っていると隣のマーティン兄様が

小声で話しかけてきた。


「お前凄いな、初対面なのによく話しかけられたな」


「いえ、知らない事を知っている大人の人達から話を聞くのは楽しいですから」


「成程な、アレクシアの行動力は勉強になる」


「お家の為に頑張ってくださいね兄様」


「いつもこれ位構ってくれると嬉しいのだがな…」


そして会話にマーティン兄様も偶に加わり話が続き、

相手から話を引き出しながらだけれど、私の知識欲を大いに満足させられた。

そして食事もとり終わると仕上げのスープも飲み終え、

口直しのお茶の時間となり、お爺様が私達の所へやって来た。


「お前らワシの可愛いアレクシアと随分と仲良くしてるようだな」


「おっ大将きなすったね、アレクシア様はリアお嬢の若いころに


似ておいでですぞ」


「そうか、そうか、外が好きか?


「はい、ですがまだお館のお外には出た事が無いのでお話を聞くだけですが」


「そうだな、此処は発展しているから森とかが遠いからな、ウチとは大違いだ」


「一度お爺様の国を見てみたいです」


「そうか見てみたいか、覚えて置こう、そうだこれをお前たちに与えよう」


お爺様が何やら準備した小箱を4個持ってきて孫の3人と、

アルマータお姉様にも渡された、木製の漆の様な処理が成された豪華な箱です。


「大荷物を持って来れないのでな小物ですまんな、


中にはソウミィ特産の希少な飴球が複数入っているがさて、


お前達はどうする?」


いきなりのお爺様の質問タイムで孫達の性格でも計るつもりかな?

まあ、つまらん答えじゃ面白くないですし。


「私はエドモンドお爺様達と食べて見ます」


「私は侍女達といただきます」


「僕は少ないようだと自分で食べます」


「私は一つだけ戴いて残りは友人達に振舞います」


どうやら私だけ正直に言い過ぎたようだ、

でも貴重品だからあなたは特別よと振舞えば、いい武器になるんじゃないかな

と思うのが私の見立て。

そしてお爺様が私達を見渡すと、他の三人は誉め言葉を交わし私の所へ来た。


「アレクシアよどうして友人に振舞うんだい?」


「特別ですよと振舞えば仲も深まるかなと思いまして」


「お前は意外とずる賢いようだな、だが面白い奴だ」


そう告げるとお爺様は席に戻り、終了となった。

そしてお父様と御爺様達はここに残り、

アウクスティお爺様との対談を続ける用で、残りの者は退出していった。

そしてアルバータお姉様達と退出すると、

ジャクリーン姉様と隣り合わせになった。


「アレクシア貴方っていやらしい性格なのね、


お爺様達には媚びりまくってるし」


「それは違いますジャクリーン姉様、初めての対面ですからお爺様達の事が


知りたくなるのは当然です」


「ジャイク、貴方もお爺様相手なのだからこの子とのようにとは言わないけど、


もう少し話しかけてあげた方が練習になっていいわよ、後で困るわよ」


「アバったら余計なお世話よ!、兄様の婚約者だからって姉ぶらないで、フン」


「アチャー、また怒らせたわね」


怒ったジャクリーン姉様達は、私達と離れて去っていった、

こういう時に口を絶対挟まないマーティン兄様には少し評価した。

私に対して以外は空気が読めるのよね…

そしてアルバータお姉様と別れて自室へたどり着くと、

ルーシーにドレスを脱がしてもらい部屋着のワンピースへ着替えて

お風呂の準備をする。


「アレクシア様いかがでしたか、マルネンハイム様は?」


「うーん武人だね、御爺様とは違う感じ。


でも優しくはあるし不思議な感じ、まあ剣聖様みたいな事はしないと思う」


「ですが急な来訪です、剣聖様事件も絡んでるやもしれませんから御注意を」


「うーんそんなに早く情報が漏れ伝わるのかな…」


そんなアレクシアの疑問をよそに、アウクステお爺様から戴いた小箱を眺めながら

アレクシアは明日へと備えるのであった。





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