5.Xデー!!
健司からの吉報を待っていた俺は、そのままゲーム最終日に突入していた。しかし、俺は殺人容疑で連行されてしまった。
(俺のバットが凶器ですか?死因と一致したのですか?)
俺は必死に訴える。
「現在、鑑識の結果待ちだが、間違いないだろう。何か言い分はあるか?」
(目撃者は何と?)
「君が殴るところを見たと言っている」
(最後に目撃者と面会したい。それから鮎川千尋はどうなった?)
「面会は許可しよう。鮎川千尋は釈放された。君の拘束を解くための演技だと自供した」
なんてことだ。偉そうに言っておきながら、千尋をこの手で救えなかった。
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(面会だ)
「敦、悪いな。こうするしかなかった」
(今さら隠すなよ。分かるように言ってく)
「分かった、全部話すよ。僕はある人が神様ゲームをクリアするために協力していた。そのためにゲームの参加者を特定し、その人に教えていた。その見返りに死んだ家族を生き返らせてもらう約束でね。そしたら、お前も参加者だとその人から聞いた。今さらだけど、その人には逆らえなかった。中学の頃、従兄弟家族と一緒に川にキャンプへ行った。母と姉を川で泳ぐよう誘いだした。深くて流れが速いことを知りながらだ。案の定、流されてしまい、二人は死んでしまった。あの頃の僕は母と姉が鬱陶しくて、死んでしまえば良いと従兄弟に話をしていた。その従兄弟がゲーム参加者だった。犯罪と言うわけではないけど、あの時のことを後悔していたから、罪滅ぼしにゲームに勝って欲しかった」
(そうだったのか)
「すみません、また殺人事件が発生しました。被害者は金子匠、18歳、先日の殺人の件も遺書で自白しています」
「なんだって?」
「至急、事実関係の調査だ!」
俺は無事に釈放されそうだ。
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「朝比奈敦、釈放だ」
やっと自由になれた。
「敦くん、やっと会えたね!」
(千尋、偉そうに言っておきながらゴメン)
「良いの、こうして会えたんだもん」
千尋は涙を浮かべながら抱きついてきた。
(おいおい、人前だぞ)
「良いの!このままいさせて」
俺たちは手間のかかる会話をしながらも、こうして笑っている。
(千尋、お前の願いって何だ?)
「どうしたの、突然?」
「ごめんなさい」
おっと、メモメモ。
(何となく、お前に聞いてみたかっただけ)
「敦くんとずっと一緒にいられることかな?」
(そんなことなら、もう願いはかなってるじゃん)
「そうだけど・・・そうじゃないかなぁ!?」
(なら、他に何があるんだよ)
「結婚してね、死ぬまで一緒に・・・って嫌だ、私ったら何を言ってるの」
(ありがとう、嬉しいよ)
こうして、最後の日も終わりを迎えようとしていた。