表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

4.どうして?



例の殺人事件の捜査のため、今日も休校となった。学校は封鎖され、生徒はおろか教職員もいない。


部屋のパソコンで動画サイトを見ていると、あのキャプテンが映っている動画を見つけた。誰かが投球練習の風景を撮影したものだった。何となく動画を眺めていた俺は、驚くべきシーンに気が付いた。そこには、何者かがメモのような物を渡しているのが映っていた。渡した人物は不鮮明で顔までは確認出来なかったが、その雰囲気から男子生徒のようだった。これで、事件の真相が明らかになると思った。



俺は急いで健司の家に行くと、動画を見るようメモで伝えた。


(健司、パソコン借りる)

俺はメモを渡した。


(この動画、見てみろよ)

「これがどうした?」

健司は不思議そうに聞いてきた。


(最後まで見てみろ)


「これ、あのキャプテンが死んだときに握っていたメモじゃないか?」

(そう思うだろ?)


俺も健司と同じ意見だった。この男子学生が分かれば重要な手がかりを見つけられると思った。


(どうにか、この学生がわからないかな?)

「これだけじゃ、分からないな。でも、探してみる価値はありそうだ」


(俺は喋れない、健司が探してくれないか?)


俺たちは手分けして探そうとしたが、俺はご覧の有り様、健司に任せることにした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




夕方になり健司が訪ねて来た。


「やっぱり分からなかったよ。手がかりが少なすぎる」

(でも必ず探さなきゃ)


「そうだな。僕も、もう少し色んな人に聞いてみるよ」

(ありがとう、よろしく頼むよ。それじゃ、また)


「ああ、またな」


健司は引き続き探しくれることになった。俺の家を出た健司はどこかに電話をし始めた。早速、確認してくれてるようだ。


俺は念のため証拠動画をダウンロードして保存した。


「大変なことになってしまいました。あの動画がアップロードされてしまってます。アイツがそれに気付いて探しだそうとしてます」

「それはまずいな。急いで動画を削除し、アイツを始末しろ」


「始末しろって、親友を手にかけたくありません!」

「お前、そんなことを言っても良いのか?」


「分かりました。動画の男があなただと分からなければ良いのだと思います。あとは僕が妨害します」

「それで良い、頼んだぞ」


俺は背後でうごめく陰謀など全く知らなかった。ただ、親友を信じて吉報を待っていた。




(ピンポーン)


玄関を開けると、そこには警官がいた。僕は再び警察に連行されることになってしまった。


「朝比奈敦、殺人容疑で署までご同行願おう」


俺は全く訳が分からなかった。千尋がどうなったのかも不明なまま拘束された。


俺は警官にメモを渡した。


(どうして俺が容疑者なのですか?)


「凶器と目撃者が現れたからだ」


(凶器とか、目撃者とか、俺には意味が分かりません)

俺は必死に書きなぐったメモを警官に見せた。


「凶器はバット、目撃者は金子健司だ」


今の言葉に頭が真っ白になった。なぜ?どうして?健司がそんなことをしたのだろうか。



そして、これが俺の結末なのだろうか・・・。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ