表裏
怪奇に見初められたある大学生の
表の言葉と裏の言葉
「そうだね」
『んな訳ねぇだろ』
「マグレだよ」
『お前らのレベルが低いだけ』
「ごめんなさい」
『てめぇ死にてぇのか』
「うん、わかったよ」
『ふざけんな何で俺が』
「楽しそうだね」
『呑気な馬鹿共が』
「僕はいいよ」
『どーでもいいんだよそんなの』
「僕怖いのダメだから…」
『お前らの方が怖いよ』
「大丈夫」
『お前にはわからない』
「平気」
『何も知るな』
「じゃあね」
『関わらないでくれ』
「……」
『辛い』
「どっか行けよ」
『寂しい』
「馬鹿だな」
『どうして何で』
「変な奴」
『嫌いじゃないけど』
「馬鹿じゃねーの?」
『どうしてそんなにいい奴なんだよ』
「全く…ホント馬鹿」
『信用しちまうだろ』
「…はぁ…」
『……………』
「しょうがねーな…」
『お前の為なら』
「やってやろうじゃん」
『俺の力、惜しみ無く使うさ』
「素直になれ?はん…嫌だね」
『なれるもんならなりたいさ…』
「お前にも本音は言わねーよバーカ」
『だって…恥ずかしいだろ…?』
「人の本音覗き見るなんて…ホントずりぃよなぁ、お前ら…」