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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

耳舐め

作者: マイケル

 どうも、ノクターンノベル界の(自称)耳舐め担当です。嘘です。

 でも、耳舐めボイスのためだけに、わざわざ、25000円程度のイヤホンとヘッドフォンを買ったのは本当です。

 なので、耳舐めには一家言ありますよ。

 昔から、わたしのおとうさんとおかあさんは、凄く厳しかった。別に、暴力を振るわれたりだとか、怒鳴りつけられたりだとか、そういうわけではなかった。けど、恋愛沙汰については、とても厳しかった。

 小、中ともに女子校に入れられた。高校も、多分に女子校だろう。

 そうして恋愛に飢えたわたしが、半ば強制的に許可をもぎ取ったアルバイトの喫茶店、その先輩に恋い焦がれるのに、そう時間はかからなかったし、付き合うのにも、そう時間はかからなかった。物事はそれから、まるで合わせたかのようにトントン拍子で運び、そして今夜。

 友達の里奈ちゃんの家に泊まる。といって親を騙し、わたしは先輩の家へ遊びに来ていた。と言っても、別に嘘はついていない。確かに恋人の関係にあるわたしと先輩だけど、先輩は友達でもあるのだし、それに、里奈という名前でもある。

 わたしも、始めのうちは、先輩に対する感情は、きっと羨望や、憧憬、そんなものだと思っていた。しかし先輩に思い切って告白すると、その感情は、言うまでもなく好きだという感情と、確信した。

 アメリカなどでは同性愛がかなり差別や偏見の目を持って見られるらしい。しかし、この日本では、幸いなことに、そういう偏見は少ない。わたしはよく知らないけど、先輩曰く、レズビアンやゲイセクシャルを見て、それに興奮する人たちもいるらしい。まあ、SMだとかと、似たようなものなのだろう。背徳感に興奮するというか、好奇心が満たされるというか。

 そんなことを考えている内に、先輩の家の前へついていた。緊張で震える指を伸ばし、インターホンを押す。間もなく、先輩の声が聞こえてきた。

「あの、望月です。里奈先輩、いますでしょうか」

「お、灯花ちゃん。今開けるね」

 一応のことを警戒して、丁寧に挨拶をしてみたけど、先輩に伝えられていたとおり、先輩が一人らしい。わたしは密かに高鳴る胸に手を置いて、扉が開くのを待った。


「はい、いらっしゃい。とりあえずわたしの部屋に行こうか。その大荷物、置かないとしんどいでしょ」

「はい、着替え以外にも、お菓子とか、いろいろ詰め込んだら、かばんがパンパンになっちゃって」

 というよりほとんどがお菓子なので、実際にはそれほど重たいわけではない。けれど、流れに乗じて先輩のお部屋へお邪魔できるのだ。千載一遇のチャンス、というほどではないにせよ、興味は尽きない。

 中へ入ってみると、やはり先輩のキャラクター通り、綺麗に整頓された、落ち着いた部屋だった。わたしのように、タンスの上へ色々なぬいぐるみを飾っていたり、勉強机の上が、趣味の布やフェルトで散乱してたり、していない。多分、床を歩いていたら高確率で布を踏みつける、なんてこともないんだろう。羨ましい。

 勿論、そんなわたしの暗部も暗部、封印すべき部屋のことなどは臆面にも出さず、わたしは進められて荷物を置くと、一階のリビングに降りた。

 そのリビングもとても綺麗で、テレビのリモコンが、しっかりとホルダーの中へ収まっていた。ソファに座って待っていると、先輩が隣に座りながら、淹れてくれたコーヒーとクッキーを差し出してくれた。至れり尽くせりである。後輩として申し訳ない。

「すいません、何から何まで先輩にしていただいて。一泊させていただくんですから、わたしも何か出来ることとかあったら、言って下さいね」

「ううん、いいのいいの。元々、誘ったのはわたしだからね。それに、親もいないから、ご飯も食べてきてもらっちゃって、謝るのはわたしの方だよ。だから、そのお詫びと言っては何だけど、このクッキー、作ったの。良かったら食べてみてね」

 なんと、先輩はクッキーを作れるらしい。女子力が高すぎる。生粋の女子である。少なくともわたしのように、玉子焼きを作ろうとすれば高確率でスクランブルエッグになるような人間とは違うだろう。

 流石にクッキーまで遠慮するのは失礼に当たると思い、わたしは我慢せず、一枚手に取る。


 そこからは一緒にお風呂へ入り、お互いの身体を洗って、いいムードになり、身体もほてったまにまに、部屋へ戻った。

 既にわたしたちの手は、いわゆる恋人つなぎをしていて、指と指がからみ合っていた。

 先輩は、時々握っている手を強く握ったり、かと思えば力を抜いたりして、わたしもその動きを真似していた。

 バクバクと、わたしの胸は緊張で、苦しいほどに高鳴っていた。顔が蒸気し、会話も続かなくなってくる。しかし対する先輩は、そんな素振りなど一切見せず、ベッドで隣に座って、楽しそうにおしゃべりしている。

「先輩」

 しかし、先輩も話し終えて、一瞬の沈黙。それを狙ってわたしは、思い切って、先輩の方を向いた。もう、一秒たりとも我慢できない。既に身体は芯から火照っていて、脳みそが沸騰しそうだった。下腹部が切なく疼き、先輩を求めているのが、否が応にもわかってしまう。

 基本的に無口で、おとなしいわたしが突然話を切り出したからか、先輩は一瞬、驚いたように眼を丸めていた。しかし、やがて妖艶に眼を細めると、わたしへ覆いかぶさるように、左手は指の絡め方を変えながら、右手でわたしの首筋を撫でてきた。

 長い髪の毛の間へすんなりと侵入され、うなじを、触れるか触れないか、くらいの強さで、ゆっくりと撫でてくる。わたしは、全身がぞくぞくと震え上がるのをなんとか堪え、声を押し殺した。

「どうしたの、灯花ちゃん。何か用事?」

「あ、えっと、別に用事というわけではないんですけど、なんというか……」

 てっきり、わたしの気持ちを先輩はとうに汲みとってくれていると思っていた。だから、こうして名前を呼ぶだけで、いつもの様に、してくれると思っていた。しかし、初めてのお泊り。どうやら、先輩はもう少し、わたしを焦らす気でいるのだろうか。全く、わたしが口下手と知っていながら。

「ひ、人が悪いですよ、先輩」

 至近距離まで顔を近づけられ、わたしは視線を逸らしながら、シーツを握りしめる。言えるわけがない。先輩とえっちな事がしたい、など。恥ずかしくて、わたしの方からではとても。

 先輩は、そんなわたしの恨めしそうな声にも飄々と、しかし一方で、淫靡な笑みを湛えた顔は、わたしの方を見据え、うなじを撫でていた手は、そのままするすると降りて、わたしの太ももを、優しく撫でている。しかし、これでは生殺し。内太ももでないだけ、まだぎりぎり理性を保つことができている。しかし、そんなところを撫でられてしまえば、当然、気持ちがそういう方向へ傾いてしまう。

 ただでさえ、傾いていたというのに。

 しかし、そこで先輩のからかいは終わったらしい。

 言葉にこそ出さなかった。けれど、先輩はそのままわたしの顔の真横を通り過ぎ、身体を重ねてベッドに倒れこむ。そのまま、わたしの左耳を、口に含み始めた。

 いつもなら、この体制のまま、先輩がわたしのズボンの上からなでつけて、染みを作り、からかってくる。それは当然恥ずかしく、しかし一方で、その恥ずかしさが快楽でもあったのだが、しかし今回は、趣向を変えたのだろうか。

 しかし、それにしたって、耳を舐めるなんて、聴いたことがない。

 ましてや、耳を舐められることが、これほど気持ちいいというのも、聴いたことがない。

 生暖かい先輩の口の中へ、わたしの耳が全て含まれる。もごもごと口を動かして、唇で耳を食みながら、舌を使い、わたしの耳を、舐め始めた。

 さながらキャンディーでも舐めるように、何度も何度も、先輩の舌はわたしの耳を舐り続ける。かと思えば、耳全体を吸い始めたり、耳たぶを執拗に攻めたり。

 ぴちゃぴちゃだとか、じゅるじゅるだとか、そういういやらしい音が、わたしの耳の側で、執拗に鳴り続ける。思わず腰が浮くほど、例えようのない気持ちよさに全身が侵され、身体が思うように動かなくなる。既に声を我慢できるような余裕は無くなり、わたしは必死でシーツと先輩の手を掴んだまま、声を漏らしていた。


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