第一部全体の大まかな流れ
まずはご覧頂き、ありがとうございます。
フェバルシリーズは、作者がライフワークとして取り組んでいる異世界ファンタジーTS小説群になります。
ただこの物語、どんな作品なのかあらすじや序盤からはさっぱりわからないことで有名でして。
ちゃんと奥まで読み込んで下さった読者からは好評も頂いているのですが、おそらくとっつきにくさではトップクラスでしょう。
また全体は計算され、緻密に構成されているので、今さら部分的に変えるのも難しいです(し、こだわりもあるのでしたくありません)。
ですので無駄な抵抗かもしれませんが、第一部も無事完結したことですし、全体の大まかな流れを説明したいと思います。
少しでも興味を持って下さる方がいれば幸いです。
最初に、フェバルシリーズでやりたいことなのですが。
・宇宙全体の壮大なスケールの物語
・たくさんの異世界、キャラクターの生き様を描く
・【運命】により生き死にが決まっており、「本来」救われない者たちがたくさんいる絶望の世界観
・主人公ユウは、【運命】を突破する可能性を秘めた『想いの力』を持っている
・巨大で残酷な【運命】に抗いながら、ユウは宇宙の星々を旅して救えるだけの人たちを救っていく
・タイトルにもなっているフェバルを始めとする『三種の超越者』と呼ばれる鬼強い連中との「対決」を描く
そういった感じの救世物語になっています。
そして主人公であるユウですが、どんな人物かというと。
・過酷な異世界や現代日本ですら生きていくのが心配になるほど、元は純粋無垢な「いいこ」
・次第に酸いも甘いも嚙み分けて、「汚れ仕事」もできる大人になっていく
・とにかく泣き虫で甘えん坊。何よりひとりぼっちが怖い
・普段は押しに弱く流されがちだが、やるときはとことんやる二面性を持っている(肝心なときほど「やる」性格)
・素直だが、根っこは負けず嫌い。逆境でも諦めが悪い
・かわいい(重要)
第一部終盤までは、ユウの一人称が主体となって進んでいきます。内心が赤裸々にわかるように描かれています。
ただこの子、自己評価がさほど高くないので、周りから見れば結構なことを「何とか」(主観)やっていたりします。
そういう意味では、とても素直で嘘偽りのない性格なのに「信頼できない語り手」の要素が若干あるかもしれません。
と、ここまでが全体背景ですが、そろそろ第一部の話をしましょう。
第一部では、やがて宇宙の救世主となるユウの「前日譚としての」成長物語を描いています。
一般人並みから始まり、最終的には星を砕くと謳われるチート能力者フェバルたちを倒せるほど凄まじく強くなります。
第二部では星々をまたにかけて世界と人助けの旅を続ける『青の旅人』となるのですが、その成長過程を700話ほどかけてじっくり描いたものになります。
普通だったらそういうのは最初の数話とか十数話で済ませるのでしょうが、そこまでの強さに至った理由とそこまでして人助けの旅をする理由をどうしても納得いくまで描きたくて、とことんやりました。
第一部は以下が特徴になります。万人受けしないでしょうが、きっと好きな人は好きだと思います。
・章単位でキャラクターや世界観は変わり、ストーリーは完結
・主人公が続投する別作品のようなもの(ゲームのシリーズものイメージ)
・ゲテモノに見えて、実は少年漫画的だったり王道的
・反なろう系チック(敵がとにかく強く、主人公はひたすら苦戦。でもひたむきに強くなる)
・シリアス風味
・一部超越者など、バトル規模がドラゴンボールばり(アホ)
また、各章後半に大展開するのが特徴になっています。
各章個別の「あらすじとキャラクター紹介」はありますが、第一部全体から見た位置付けもここで説明しましょう。
■プロローグ
いきなりやっています。初見読者バイバイ最大の元凶。
はっきり言います。読まなくていいです。
2話飛ばして、次の1章の「あらすじとキャラクター紹介」から入って下さい。
えっちいしエグいし、下手に読んで「こんな作品」かと思われてもアレなので。
そういうのが平気な方は、一から楽しみたいという方だけお読み下さい。
すぐにはわからないですが、後から見れば色々と面白い話だったりはします。
とりあえず飛ばす方は、このくらい知っておけばOKです。
・ユウの両親は事故で死んだらしい
・ユウはエーナという謎の女性に、フェバルとして覚醒することを告げられる
・フェバルとは本来恐ろしく強いチート能力者だが、ユウはなぜかTS変身能力(男の子⇔女の子を任意で切り替える力)が目覚めた
・女の子になったユウは、いきなり現れたウィルという奴にレ〇プっぽいことをされた(トラウマになる)
・ユウは地球を離れて永遠に異世界の旅をすることになった
ちなみにですが、600話くらい先に控えている第一部ラストの4章前編がとてつもなくやばいので、その段階ではこの程度が読めないとまず読めないと思います。
という試金石+(後で阿鼻叫喚にならないための)作者なりの誠意として入れたプロローグですが、本編の大半は実はそれほどではなかったりします。
■1章 剣と魔法の町『サークリス』
いわゆる剣と魔法の世界の青春物語。
いきなり女の子になって戸惑っているユウを、温かい仲間たちが迎え入れてくれます。
正直、この段階のユウは(過去含めて)精神的に深いトラウマを抱えており、またそれもあって滅茶苦茶弱いです。
突然異世界の旅に巻き込まれてしまって、右も左もわからないといった感じです。
それが世界の危機を経て一皮剥け、自分の意志で世界を旅してみようと一歩踏み出すまでを描く物語です。
なお1章前編に限り、コテコテのTS小説的な要素(トイレとか生理とか着替えとか諸々)があります。
ですが、後には自然と男の子かつ女の子になるため、ほぼ描かれなくなります。そういうのが苦手な方もご安心下さい。
もちろんそういうのが好物な同士も、ユウのかわいい姿は今後も描かれるのでご心配なく。
■過去編2章 金髪の兄ちゃんともう一人の「私」
1章前編と後編の間に挿入される、地球を舞台とした過去編です。
最初の過去編なのに2章なのは、後にユウの母親ユナが主人公を務める過去編1章が存在するためです。
本編における最重要キャラクター二人、金髪の兄ちゃんことレンクスと、ユウの中の女性人格たるもう一人の「私」が登場します。
1章前編のみだと「この作品って、ありきたりなファンタジーなのかな」となりそうですが、この辺りで何やら怪しい空気が漂ってまいります。
■エピソード集(シリーズ情報より飛べます)
2章1話で言及される途中の世界の物語です。
本編の理解に必須ではないため、飛ばしてしまってもよいですが、コメディ風味の2話だけでサクッと読めるので読んでみてもよいでしょう。
■2章 人工生命の星『エルンティア』
1章と打って変わって近未来的雰囲気となり、機械人族ナトゥラと人間族ヒュミテが抗争する殺伐とした世界へと放り込まれます。
ユウという異世界よりの異物が入ってきたことで、物語は大きく動き出します。
この辺りからユウが戦士としても一人前になってくるので、次第に頼れる場面が増えていきます。
ただ相変わらずフェバル級と称されるチート能力者たちは圧倒的で、まったく敵わないのですが。
1章が青春物語なら、2章でフォーカスされるのは愛でしょうか。また少し大人になったユウが見られます。
■外伝(シリーズ情報より飛べます)
エスタ、アーシャという男の子と女の子一人ずつしか人類がいない、大自然の終末世界での旅を描く物語です。
本編の理解に必須ではありませんが、ハートフルな話なので読んでみてもよいでしょう。
■チート旅1章 剣と魔法の町『サークリス』(シリーズ情報より飛べます)
別作品ではありますが、本編の理解においてはほぼ必須な重要エピソードです。
2章読了後、3章に入る前に読まれることを強く推奨します。
女の子になる能力はないけれど、代わりに「本来」のチート能力を持ったユウの話になります。
これを詳しく説明してしまうこと自体が最大のネタバレになってしまうので、あまり詳しくは言えないのですが。
本編のパラレルというか、遠い過去というか。バッドエンドできついのですが、そんなものが描かれます。
ここからがこの物語の深奥と言いますか、何かが始まっていきます。
■チート旅2章 人工生命の星『エルンティア』(シリーズ情報より飛べます)
チート旅においてはユウが滅茶苦茶強いので、たった数話で終わってしまいます。
■3章 二つの世界と二つの身体
もう一人の「私」(ユイ)と、突然分離してしまったユウ。
夢想の世界と現実世界、二つの世界を行き来しながら、不思議な世界の謎を解き明かしつつ。
やがて宇宙をも揺るがすただならぬ『事態』に向けて、物語は大きく動いていきます。
第一部における最大の章であり、なんと300話以上もあります。
前半はコメディ要素多め、後半はとてつもなく重いシリアスが展開されていきます。
通読するのも大変ですが、長い分だけ色々な要素が詰まっており、ここでようやく諸々の世界観や謎が明らかになったりします。
いわゆる「ラスボス」が判明するのもこの章ですね。
またユウが能力の真価を引き出し、これまで散々打ちのめされてきたフェバル級のチート能力者にもやっと一矢報いられる段階にまでなります。
■過去編1章 地球(箱庭)の能力者たち
ユウの母親ユナが主人公の過去編です。
超能力者TSPからなる国際テロ組織トランセンデントガーデン(TSG)との戦いを描くガンアクションものです。
一見ただの過去編のように見えるのですが、実はそうではなく。
ユウはなぜフェバルになったのか。なぜ一見女の子になるだけの不思議な能力が生まれたのか。
フェバルの謎がついに明かされる、核心的エピソードになります。
■4章 I
人喰いの化け物アイとの壮絶な死闘を描く本編の『特異点』であり、第一部最終章。
プロローグや1章の一部えっちだったりきつい描写は、4章前編においてこのキャラクターのえげつなさを存分に描くために準備されたものです。
なのでそこの部分は大変おつらいのですが、乗り越えるとアツい反攻の物語とクライマックスが待っています。お楽しみ下さい。