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しぐれぐむ  作者: kazuha
揺れ動く感情
57/200

57、




 新しい年に向けて大片付けときた。




 各人部屋を片付け、終わった人から共有エリアを掃除していく。


 因みに早ければ早いほど楽な共有エリアを掃除することができるので早い者勝ちだ。



 私は自分の部屋を片付けている。


 いらなくなったノートと雑誌をまとめ紐でくくる。


 CDもあちこちに散らばっていたので棚に戻しておいた。




 掃除機もかけ終わり、ベットに薬用のやつを噴霧する。



 机の上は常に片付いているし、いらないものは特にない。



 よし、終わった。



 どうやら1番に終わったらしく、お風呂掃除をすることになった。



 まぁ楽って言っても微妙だけどね。




 なんやかんや終わって午後の3時だった。



 他の人が掃除が終わるまでどっかに行ってよう。


 とりあえずいつも通り電車で都心に出て、CDショップに向かった。



 適当に物色していたらSchnee leuchtetのCDを見つけた。


 3枚くらい。



 貯金的にほぼ無いに等しいので買おうか悩んでいる。



 うーん。


 1枚くらいかな。



 じゃぁどれだ。



 買うならこの2つのどっちかなんだよなぁ。



 うーーん。



 こっちかな?



 買っちゃう?


 かーう?


 買うか!



 他のCDを戻し、レジに向かった。




「あ、」


 その声を聞くまで全然気付かなかった。


「時雨ちゃん!」



 子犬の様な笑顔に私は笑顔を返した。


「セラ君じゃん」


「ここ出会うなんてね」



 だぶだぶのダッフルコートを着て、マフラーで首元をしっかりと覆っていた。



 正直会いたくなかった。



「あれ? それって」


 持っていたCDを取られ見られる。


「あ! 新しいやつ! 買ってくれるの!?」



「う、うん」


「ホントに! ありがとう!」



 ど、どういたしまして。


 と言おうとしたら両手を握られた。



「時雨ちゃんが好きになってくれたなら凄く嬉しい」


 CDを返され、離れてくれた。



 急に暗い顔だった。


 どうしたの?


「返事、待ってるから」











 そのまま私の横を通り過ぎて奥の方に入ってしまった。




 忘れた訳じゃない。


 まだ悩んでるんだ。



 返事をしたら、なんだかこんな幸せだった日々が壊れてしまいそうだったから。

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