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しぐれぐむ  作者: kazuha
しぐれぐむ
188/200

188、




 霜が降りる時期も終わり、桜が満開を過ぎ葉のみをつけ、まさに夏真っ盛りへと向かう6月だ。



 武道館のチケットの先行販売は確約に成功してこれで安心して就活に専念できると力を注いでいた。



 だがしかし、そんなに上手く話が進む訳もなくなかなかいい具合に低迷しているような感じだった。



 修論もそろそろ終わりが見えてきていて夏までには終わりそうだ。




 なので、ここらへんで仕事を探す必要がないのではないかと思い美晴に相談していた。



 東京でもいいんじゃないか?



 そのメールに私はすぐにインターネットを開いた。


 東京での働き口。


 それはなかなかに狭き門なのはその時にわかった。



 大手企業はこの不景気に幅を狭め、中小企業はウェルカム感はあるが、まぁお給料がねって感じではある。



 いっそのことサチレのマネージャー補佐でもやろうかとかも思ったが、私に何ができるのだろう。


 まぁ、無理なことはわかっていた。


 なので、一応チャレンジして無理だったら専業主婦でいこうと思う。



 でも、仕事はしたいしねぇ。




 とりあえず、自分の思うところをピックアップして、できる限りのことはやろうと思う。



 それを美晴に伝えたら、メールでこう返ってきた。



 武道館の時にこっちに来るだろ?


 その時にでも少し滞在すればいいんじゃね?


 もう修論終わるんだろ?


 さっさと終わらして、一緒に暮らそうぜ。




 まったくもって身勝手な人だ。


 もとからそのつもりですよ。







 それにしても、今年は暑い夏になりそうだった。



 まだ6月だというのに蝉がうるさいことこの上ない。


 きっと8月には蝉時雨となるだろう。



 もはや鬱陶しいだけなのだが。




 そういえば、バカ弟は大学生になりまして、今はバンドに一生懸命です。


 近々ライブがあるらしいから聞きに行ってあげよう。




 色んなことを考えながら私はテレビを見ていた。


 去年もこのくらいではなかっただろうか。




 それは、無駄に暑い、初夏あたりの生活。



 2人だけの記憶。



 そろそろ終わる日記も新しくしようと新たなものは引き出しにしまってある。



 これが、私にとって唯一の記憶。




 テレビでは東京で少し大きな殺人事件があると報道されていた。



 美晴とは今もメールをしている。


 まったくもって安心である。




 でも、なんなのだろう。


 この胸騒ぎは。

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