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しぐれぐむ  作者: kazuha
その見える眼前の景色
159/200

159、




 この家で色々なことをしてきた。



 家事、勉強、などなど。



 それぐらいしかしてないんだけどね。



 大家さんは意外と気楽に受け入れてくれ、私はほとんど家にいる美晴の朝食と晩御飯を作る機械みたいになっていた。



 最初は料理がワンパターンだったので、いまこの家には料理本が3冊ある。




 私としてはテストも終え、夏休みを堪能した。



 美晴とふたりっきりで遊園地行ったり、動物園行ったり。


 その行くための資金を集めるために、私はコンビニでバイトをし始めていた。



 サチレのみんなで海に行った時も楽しかった。



 土門さんと星空くんと美晴とで沖まで泳いで行ったのはいいが、星空くんが足をつって溺れかけたのをふたりで頑張って担いで帰ってきたときには驚いたけど。



 海でバーベキューもした。


 お肉や野菜はまだ良かったけど、土門さんがどこから持ってきたんだか釣ってきたんだか謎の魚を調理し始めてからなにかがおかしくなった。



 その魚不味かったんだよ。




 でも、皐月さんは美味しいって食べてたなぁ。



 晋三さんの作る焼きそばは美味しかった。

 大体は土門さんに任せるらしいのだけど、魚の関係でね。



 そうそう。水着はテラコさんが選んだ空色のビキニだった。


 それを見た美晴の鼻の下の伸ばしようときたらみっともなかったっけ。






 夏もそろそろ終わる。



 私の誕生日も直ぐに訪れる。



 そのあとに、彼らがいなくなると思うと、無性に寂しくなる。



 彼らの一区切りとなる1回の単独ライブ。


 今その準備に追われているのかバイトが終わって帰ってきても美晴はいない。



 まさか、別の女と遊んでないよね?



 そういえば最近になって急にパソコン見せてくれなくなった。



 パスワードは知らないから開けないのだけどね。



 まぁ、でも信じてる。

 最後には私の下に戻って来るって。




 そう、そんなことを日記を見ながら思い返していた。



 そろそろ雨の季節だ。

 秋梅雨。

 その中に、私の名前がある。



 時雨。



 ぱらぱらと降る雨。




 それは意外にも早く訪れていた。



 まだ8月。


 しかし、今日は朝から時雨だった。

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