15、
その日からだった。
セラくんからメールが頻繁に来るようになったのは。
私は講義中にバイブルする携帯を取り出して、講義中らしいセラくんにメールを返していた。
内容は、授業めんどくさい、とかそんなことだった。
正直、私も今受けている、経営学とかいうものは何故取ったかもわからないくらい必要が無いのだ。
ノートをまともに取りながら、隠れてメールをする。
いけないことだ。
と思うのと同時に、メールが来るのが楽しみでしょうがなかった。
お昼は学食に向かった。
今日は無用に晴れていた。
澄んだ空気が肌に触れると、氷つきそうなくらい。
冬だな。
そう、感じさせられる。
その途中でいつの間にか隣にいた美晴に驚く。
「い、いつの間に!」
「いや、結構前から」
何と言うステルス機能。
これでも結構な有名人なのだから、もう少しオーラとかそういうのが出ていても良いのではないかと思うのは私だけなのだろうか。
「今日暇か?」
「午後にひとコマあるくらいだけど」
「よし、じゃぁホールで待ってるからな」
「は、はい!?」
「なんだ? 不満か?」
そりゃぁ不満たらたらですけど。
「どこ、行くのよ」
「あ? 教える必要あんのか?」
「いや、あるでしょ!」
口論しているときに、奴は来た。
「あら、柘植センパイ。こんにちは。遊びの約束ですか? 私でしたら今日は暇なのですぐにでもいいですよ」
でた。
名前は……、中原さんだっけな。
茶色でロングのストレートヘア。
服装は豹柄をチャームポイントに使った、意外と清楚な感じ。
ワンピースにブーツに……。
なんか見習っている感じで嫌だが、センスある。
「ああ、ごめん。雑用だからコイツに任せるのがいいと思ってな」
「そうですか? 雑用でもなんでもやりますよ」
「いや、決めたことだから」
「そうですか。では、またの時にはぜひ私に」
そう言って、1度私を睨んでからどこかに行った。
私は視線を食堂に向けた。
どうせ、雑用専用ですよ。
私は。
ふん!
「あぁ、ったくたるいなぁ。あ、雑用なんか生温いことじゃないから」
無視決めつけてたら意味のわからないことを言われて思わず聞いてしまった。
「どういうこと?」
「ん? あぁ、行けばわかる」
は!?
「だから、なんでわからないことに参加しなきゃいけないのよ!」
「……。好きだろ」
…………。
は!?
「いや、好きとか、そんな……、ね、あったばっかだし、」
「なんの話だ? 違うよ、あれだよ」
「は? あれってなによ!」
「え? ダンドリオンだよ」