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しぐれぐむ  作者: kazuha
その出会い
12/200

12、




 本格的に寒くなってきた。


 とうとうコートまで出して、ニット帽も被り、手袋もふかふかの白いやつにした。




 今日は午前で終わる。


 柘植く……、じゃなくて美晴く……でもなくて美晴はむしろ今日午後からでさらにサークルだそうだ。


 サークルは軽音系じゃなくむしろ小説を読むとかポエムを書くとか、そういった所に入ってるのだそうだ。




 というのを、学生食堂にて聞いていた。


 私はチャーハンを、美晴はしょうゆのラーメンを食べていた。


「なんで軽音じゃないの?」


「ん? 俺、外部でバンド組んでるし、必要性ねぇじゃん?」


 まぁ、そうなのだが、如何せん納得できないのだ。


「そうじゃなくても音楽系でも良かったじゃん」


「いいだろ別に」


 まぁ、いいのですが。


「にしても、冷えるなぁ。雪でも降るんじゃねぇか?」


 私は外を見た。


 快晴。


 空は高く、透き通っているようにその青色が断層的に濃くなっているように、雪なんか連想できなかった。


「降らないでしょ」


「いや、降るな。……明日」


「明日なんかい」


 そんなこんな話していたら、周りが騒がしいことに気が付いた。


 視線を美晴から声のする方に向けた。



 同学年の女子たちだ。


 顔は知っている。


 名前は知らない。



 そんな彼女らがどうやら柘植美晴に釣られて近寄ったきたらしい。


「時雨ちゃんおはよう」


 私は視線をチャーハンに移してレンゲですくった。


「美晴先輩とご飯っていいなぁ。私たちもご一緒いいですか?」


 知ってる。


 コイツらはこんな奴らだ。


「ん? 俺もう授業行くけど? なんなら、時雨と食ってけば」


 は!


 何言ってんの!


 バカじゃない!



「そうなんですか。残念です。じゃぁ、時雨ちゃんと一緒に食べますね」



 ラーメンのスープを一気に飲み干すと彼は立ち上がり食器を戻しに歩いていった。


 そして、美晴が座っていた所に話しかけてきた、多分ボス的存在の1番ケバい化粧をしている子が座った。


 そしてこういうのだ。


「生意気なのよ。美晴様と一緒にご飯だなんて」


 小さく強い言い方。


「ねぇ、これで美晴様の彼女にでもなってみなさい。殺すわよ」





 こんな奴らだ。


 私はまだ少し残っているチャーハンの乗っているトレーを持って戻しに行く。





 ったく、






――――美晴のバカ……。

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