101、
4月も始まりの日になり、桜が満開で始まりました。
美晴と一緒に登校して、それぞれガイダンスとかとかをこなし、そのまま土門さんの所で食べて、くだらない話を始めた。
本当は今日お花見予定だったけどみんな忙しいらしい。
だからしょうがなく、ここで少人数のお花見になったのだ。
まぁ、花なんて窓の外はおろか、店内にもないのだが。
「にしても、取る量多くないか?」
「しょうがないじゃない! 安定的にこんな感じでやってたんだから」
「はぁ!? 遊ぶ時間、少ねぇじゃねぇか!」
「なら私に合わせてよ!」
「オレだって忙しいの!」
「私だって忙しいよ!」
「寄りが戻ったと思ったらもう喧嘩かい? 飽きないねぇ」
「ちゃうちゃう。めおと漫才や」
「違う!」
「違います!!」
声が重なり、逆にムカついてきたこの男。
「マネしないでよ!」
「お前がマネしたんだろ!」
「違いますー! 私の方が早く言ったもんねぇー」
「は! オレが早かったし」
「いい加減うるせぇな」
「ええやない? 賑やかで」
「耳が痛くてかなわねぇよ」
激論も、美晴にお酒が入ると一気に収まる。
出したのは土門さんだった。
止め方知ってるならはやくして欲しかった……。
おつまみのハムを食べながらわたしもオレンジジュースを飲んでいた。
「お待たせー」
チャリンチャリン。
軽い音と共に飛んできたのはテラコさんの声だった。
「あら? セラいないの?」
「なんか、次のライブのことでなんかやってるらしいんだよ。なんも知らねぇけど」
土門さんの言葉を聞きながら、当たり前にいつも座る場所に座る。
「私もビール」
「はいよ」
「あら早いこと」
「どうせなって思って」
テラコさんと美晴が乾杯して、ちまっと飲んだ。
「晋三はいつくるん?」
「これるか?」
「いやぁ、辛いんじゃないかなぁ。私が誘ったらなんか娘の入なんチャラとか言ってたし」
「そんな年だったか?」
「わからない。それよりご飯系ないかしら? お腹すいたわぁ」
「ほいこれ」
「あら、わかってるじゃない」
「どうせ、炒飯だろなってな」
飛び交う言葉を聞きながら、次々に出てくる料理をちまちま食べる。
それにしても、そらそろこの長いカウンターが埋まりそうだ。
「なぁ、そういえば時雨。特技とかない?」
急にふられて真後ろにいる美晴の方を向いた。
「特技? うぅんそうねぇ……」
考えたこともない。
なにかできるか……。
意外と徳川家の将軍言えたりするけど、そんなの特技じゃないしなぁ……。
「おわったぁ!!」
考えてたら、星空君が入って来た。
「もぅ、嫌だホントに! 土門! 僕もビール!」
「はいよ」
「はや!」
土門さんなんかすごいなぁ……。
生ビールをこんな短時間で、ってか未来予知でも出来るのって感じで早い。
「聞いてよ美晴! 10月にあそこ取れたんだけど」
「どこだよ?」
「僕がソロライブやった場所」
その一言で私意外の全員の雰囲気が変わった。
一瞬の沈黙もわからないほど。
「ホントかよ!」
「マジ!?」
「どんなチートよ!」
「ホンマでっか!!!」
もはや一斉に飛ぶ声に少なからず驚いた。
「あの時、ホールの人に気に入られたみたいでね。もしかしたらって思ったら案の定取れたよ。色々大変だったけどね」
「でかしたセラ!」
土門さんに肩を殴られる星空君。
「もう、大好き! 結婚しましょ!」
テラコさんに攻められる星空君。
「もう、えぇやつやなぁ! いい尻!」
皐月さんにお尻を撫でられる星空君。
かなり嫌な顔をして回避をしている。
「晋三いないけど、めでたいことだから乾杯すんぞ乾杯!!」
「ほらみんな持て!」
「セラ死ね!」
「なんでいきなり罵声!? 美晴何杯目!?」
「はーるよ、、、恋!」
「もう、誰だよテラコさんに飲ませたの!?」
「星空君、ツッコミ煩い」
「あ、ごめん。時雨ちゃん……」
「よっしゃぁ!! かんぱーーーい!!!」
カチャカチャとグラスがぶつかり合う。
カウントダウン。
それは既に始まっている。
オレンジジュースを飲んで、冷静にそう思ってしまった。