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黒き英雄  作者: 玄野 洸
3/17

1話

 俺は心を落ち着かせ、あることを思い出していた………。


『最後の転生を行うと、異世界に連れてかれる』


 こんなうわさを思い出しタラリ、と汗が流れた気がする。


「じゃあ、ここって異世界?とか?」


 (いや、でもステータスとか出たしなぁ………)とか一応心の中で否定しつつ、とりあえずここで生き抜くための情報を得ようと森の中を歩きだす。


「さて、村でも探すか」


 ふと、歩き出したところであることを思い出し立ち止まる。


「あ、そういえばSP振り分けないとな……」


 俺は“ステータス”と念じ、虚空よりステータスカードを取り出し手に取る。そして俺は〈フルガイア・オンライン〉の時と同じようにSPを振り分けるためカードに触れていく……。







「ふぅ…こんなのもかな?」



 白河・黒輝     〈シラカワ・クロキ〉


 17歳        Lv1


 体力:76

 筋力:76

 魔力:10

 精神:10

 敏捷:135

 器用さ:50

 運:50


 SP残量〈100〉


 称号:なし


 スキル:なし

 

 職業:なし


 装備:なし


 0Gill




 俺は〈フルガイア・オンライン〉の時と同じく、魔法系のステータスをある程度捨てて物理系のステータスに大半のSPを注いだ。運に50入れておくのは〈フルガイア・オンライン〉では運が高ければ高いほど、レアアイテムなどがドロップしやすくなったりしたからだ。……まぁこっちではどうかはわからないが。


 ちなみにSPを100残したのはこれからの生活においてステータスの組み方を変えることになるかもしれないからだ。


 SPをの振り分けが終了すると、ステータスカードが消えていった。


「さてと、村を探すか……」


 俺は森の中を再び歩き出した…………







 …………が、俺は森の中を相変わらずさまよっていた。


「………いつになったらたどり着くんだよ」


 しかしLv1にして75もある体力が効いているのか息切れが全く起きる様子がない。

(代わりにため息は無茶苦茶出てくるが、)

 それに運も50と結構な量あるはずだから、歩いているだけで村に着くと思っていた……。


「浅はかだったか……? はぁ…」


 と、視界の端に舗装された道が映る。


「おぉ!!やっとか!!」

 

 その舗装された道へ走っていく俺、その道を歩いると自然と足取りが軽くなる。なんたってもうすぐ村かなんかに着くのだろうから!!!


 そんな上機嫌で俺は、その道がこの深い森に対して不自然に豪勢なことはまったくもって気にしていなかった。




 しばらく歩いた俺、ふと立ちどまる。



「………………」



 なんだか台座みたいなとこに剣が刺さってた………。


―――――ほう… ここにひとりでたどり着くとはなかなかやるのぅ、おぬし―――――


「うおっ!?」


 台座に刺さった剣がカタカタ震えるたびに発せられるその声に身をのけぞらせる俺。


―――――ん?どうした?我と契約を交わすためにここにきたのだろう?―――――


 そんな喋る剣に俺は一言、


「いや、ちがうけど?」


―――――………え?―――――


「いやだから違うって、歩いてたらたまたま着いただけなんだけど………」


―――――な、なに!?いやここには結界が貼ってある故、簡単には入れないはずだぞ?―――――


「結界?」


 なんだそりゃ…と思いつつ、一つ考える。もしかしたら俺その結界の中に落ちたとか?

も、もしやその結界の中にいたおかげで俺いつまでたっても村に着かなかったとか………?

 俺は膝をつき「マジかよ……」とひとり納得しつぶやいた。


―――――ど、どうしたおぬし?急にうなだれて―――――


「いや、なんでもない気にしないでくれ……」


 剣に話すのってなんか不自然だな……まわりから見たら独り言を言ってるみたいだろう。


「その結界からどうやったらでられる?」


―――――契約を交わせば結界は解けるが?―――――


「よし、今すぐ契約しよう。そうしよう」


―――――なぜ急にやる気を出すのだ?―――――


「気にすんな」


―――――ま、まぁ良いか。では、私の前まで来い―――――


 剣の前まで歩いてゆく。そして剣が契約の言葉?だと思うが、それを唱えだす。



―――――我、魔剣“フィレストール”は汝、……なんじ………おぬし名前は何だ?―――――


(魔剣かー。ただの剣じゃなかったんだなー。まぁ喋ってたりしてるし、そりゃそうか)とか考えながら、名前を聞かれたことに(今さらかよ)と心の中でツッコミを入れる。


「白河黒輝だ」


 と一応、名前をおしえる。


―――――我、魔剣“フィレストール”は汝、シラカワ・クロキのツルギになることを誓い、永久トワに従うことを誓う。いざここに契約を…………さぁ、我を抜け。抜くことだできたのなら契約は完了だ。―――――


「そんなことでいいのか?」


―――――他に何があるというのだ?どうせ弱きものに、我を抜くことなどできん―――――


 魔剣が小馬鹿にしたように言う。てっきり、血とか魂とか使うのとか思ってた。


 俺は魔剣を片手で握り、一気に引きぬいた。


 とたんに俺の視界を閃光が染め上げる………


「うわっ!?」


 目を覆うため魔剣から手を離す。そして光が収まるのを待ち、おさまったところで手をどけると………




「これからよろしくおねがいします。マスター」



 ………全裸の銀髪碧眼美少女が ペコリ、と可愛らしくおじぎをしていた。











「はああああぁ!?!?」






魔剣フィレストールの口調が変化しますが、

これは主人公と主従関係(?)を結んだからです。

それ以外の意味は特にありません。


もし良かったら感想お願いします。



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