プロローグ
初めて書きました。おもしろさは特に期待しないでください。
では、どうぞ
「なんでこうなった………」
俺はわけがわからずつぶやいた。
俺はVRMMO〈フルガイア・オンライン〉をプレイする一プレイヤーのはずだった。
〈フルガイア・オンライン〉とは、2×××年某日の発売されたVRMMOのことで、機械に挿入するディスクの本来20タイトル近く保存できるデータ量を、すべて使いきって初めてプレイできるゲームだ。
それゆえ武器やスキル、クエストの量はすさまじく、しかもプログラムが自動で生成し続けるので、クリアするのは不可能なんじゃないか?とも言われているほどだ。
そしてこの〈フルガイア・オンライン〉の育成システムは変わっていいて、最高LvのLv100まで到達すると、SPを10残してLv1から育てなおす『転生』ができるようになる。さらにこの『転生』は25回も行えるようになっている。
俺は『転生』までに必要な経験値を稼ぎ終え、腰に付けたマジックパック―――空間魔法を利用した無限にものが入る袋だ―――から、転移クリスタルを取り出し「転移 アルケイディア」転移の言葉をつぶやいた……
そして中央都市アルケイディアの俺が贔屓にしている宿屋の一室に着くと、25回目…つまり最後の転生を行うべく柔らかそうなベットに座った。
いつもはそれほど緊張などせず気軽にするのだが、今回ばかりは少し緊張していた。なんでも、最後の『転生』を行うと異世界に連れて行かれるとかなんとか………
まぁ、さすがにこんな根も葉もないうわさを信じているわけじゃないが、それでも緊張はするものだ。
そして俺は言う。「………『転生』」
いつものように体が粒子に変わっていくかのような感覚が訪れる。実際変わっているのだが。そのあと体を組みなおすような感覚が訪れる。
(――――なんだいつもと一緒じゃないか)
と、新しく体ができるのを待っていた時、プツン(ん?なんだ?)何かが切れるような音が聞こえそこで不意に意識が途切れた……
ドスン!!!
「げふっ…」
空中に放り出され、落ちたところで、情けない声が俺の口から洩れる。
「ぅ……いててて」
俺はあたりを見回す、そこには『転生』前の宿屋の一室ではなく、草木の生い茂る森があった。
「どこだ?ここ?」
いつもの『転生』なら、『転生』を開始したところに新たな体ができるはずだ。
……なのに目の前に広がる森は全く見覚えがなかった。(あとでゲームマスターに訴えとくか…)など考えつつ、そろそろ現実の夜も真夜中を回るはずなので、この〈フルガイア・オンライン〉から離脱するべく、心の中で“ログアウト”と念じた。
……が、いつまでたってもログアウトされない。不思議に思ったのでヘルプを見るべく“システムフルプ”と念じてみる、これも反応しない。
他のはどうなのか試してみることにし、ステータスを試してみる。“ステータス”
空中からカードが出てくる。
できた。
白河・黒輝 〈シラカワ・クロキ〉
17歳 Lv1
体力:1
筋力:1
魔力:1
精神:1
敏捷:1
器用さ:1
運:1
SP残量〈500〉
称号:なし
スキル:なし
職業:無職
装備:なし
0Gill
「ハァ!?」
俺は思わず叫んだ。本来キャラクターネームになっているはずのところが現実の名前になっていた。
それだけじゃない、今まで苦労して習得したスキルがキレイさっぱりなくなっていた。そして本来25回もの『転生』の賜物だが、それでも250しかないはずのSPが500もある。
「ど、どうなってんだ?これ?」
ふと、森の水たまりに目が行った。その水たまりに映っていたのは俺が設定したイケメン顔なんかじゃなくって………
「お、俺!?」
こっちも現実の俺の顔で、しかも俺の体だった。
「なんでこうなった………」
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