プロローグ
過去に同名で挙げていた小説の書き直しになります。
読みやすさを重視して、推敲を重ねて修正しました。
お楽しみいただければ幸いです。
これはどこかの世界のとある王国のお話。
そこにはいついかなる時も、常に全裸の魔王様が住んでおられました。
なぜだか分からないけれど、魔王様が着た服は全てがことごとく弾け飛んでしまうのです。
でも、魔王様は全く困りませんでした。
なぜなら家臣たちも、国民たちも、王国の皆がすっかり慣れきっていたからです。
それどころか、束縛感ゼロの世界が快適すぎて服を着る気になど全くなれませんでした。
そんな日々を過ごしていたある時、魔王様はとある噂を耳にします。
それは遠く離れた別の国に、どんな服でも作ることができるという“伝説の仕立て屋”がいるというものでした。
「その者であれば、我が衣服を造る事が出来るやも知れぬな……」
いつもならこんな話は聞き流すのですが、なぜか魔王様は興味を抱いてしまいました。
こうして魔王様は伝説の仕立て屋に会ってみる事にしたのでした。
しかし、その者は魔王国の民ではありません。
そこで魔王様は思ってしまいます。
むしろ自分からこっそり会いに行けば良いじゃないか……と。
魔王国で一番強く、誰も敵わない魔王様。
なんだかんだで、しょっちゅう国を抜け出しては世界のあちこちに出没している魔王様。
本人はこっそりしているつもりだけど、実際は目立ちまくっている魔王様。
家臣達はそんな魔王様のことを一切心配することなくーー
「あ、行ってらっしゃーっス」
ーーと気軽に言って、魔王様を見送ったのでした。




