表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

第1話

 かつてストリック王国を窮地(きゅうち)(おとしい)れた魔王が、300年の時を経て復活しようとしていた――。


「勇者たちよ、よくぞ参った! 我が国の命運は、かつて魔王を倒した勇者の子孫であるそなたの手にかかっておる! 魔王討伐(とうばつ)を頼んだぞ……!」


 ストリック城の玉座(ぎょくざ)の間。

 国王が、力強く命を発した。


 ひざまずき、真剣な面持ちで命を聞く、勇者と仲間たち……

 勇者ラックは、国王の言葉を深く受け止めると、キリリと目を開き、言い放った。


「……お断りします!!」


「「何?!」」

 

「な、な、何と申した勇者?!」


 国王が驚きのあまり玉座から滑り落ちる。

 ラックは真剣な眼差しで訴えた。


「申し訳ありません、国王。しかし魔王を倒してから300年……我が王国はずっと平和でした。だからその間、俺の父さんも、じいさんも、じいさんの父さんも、曾々(ひいひい)――中にはばあさんもいたと思いますが――とにかく! 誰も勇者になるための鍛錬(たんれん)をしてこなかったのです、もちろん、この俺も!」


「な、なんと?!」


「だから俺――」


 ラックは息を吸うと、胸を張って言った。




「勇者レベル、『0.2』しか無いんです!」


「「0.2ぃい?!」」




「0.2って……! 勇者、正気か?!」

 信じられない顔をして腰の剣に手をかける女戦士リシア。

 

「『レベル1にも満たぬ』と?!」

 とんがり帽子を落っことしそうになる魔法使いバルド。


「そんなレベル、聞いたこともありません……!」

 眼鏡を掛け直しながら必死に古文書(こもんじょ)をめくる賢者エルマー。


「だからすみません。俺、無理です。他の勇者を探してください!」


 勇者はそう言い残し、玉座の間を飛び出した。

 だがその時、


「お待ちください勇者様!!!」


 国王の娘である王女が現れた。


「魔王を封印できるのは、聖なる血を受け継ぐ勇者様だけだという言い伝えなのです! どうかお力をお貸しください……!」


「お、王女様……!」


 ラックの手を取り瞳をうるませる王女。

 ラックはその真剣な眼差しに心を動かされた。

 王女は美少女だった。


「……わかりました、王女様。この現勇者、必ずや魔王を討伐してみせます……!」


 かくして、『レベル1にも満たない勇者ラック』の無謀なる魔王討伐の旅が幕を開けた。

勇者ラックの旅、ゆるスタート。

全4話完結まで毎日12時投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ