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『転生したら神喰い英雄だった件 ―七柱の神々を救う物語―  作者: トト


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第一章「加護なき転生者」

第1章「加護なき転生者」


第1話:目覚めの廃神殿


 ――暗闇。

 意識が、深い底から浮かび上がる。


 痛みはない。ただ、心の奥で“何か”が燃えていた。

 目を開けると、そこは崩れかけた神殿の中だった。

 天井には穴が空き、淡い光が差し込んでいる。


「……ここ、どこだ?」


 声が、自分のものじゃない気がした。

 伸ばした手は見慣れない――青年の姿。

 服は焦げ、指先には光の紋章のような痕が刻まれている。


 そして脳裏をよぎる、最後の記憶。

 ――走る車。助けようとした子どもの泣き声。

 次の瞬間、眩い光に包まれて――終わったはずだった。


「死んだ……はず、だよな?」


 自嘲するように呟いたとき。

 瓦礫の向こうから、少女の泣き声がした。


 思わず駆け寄ると、白いローブをまとった少女が倒れていた。

 長い銀髪が土にまみれ、手には血の跡。

 彼女は、恐怖に震えながらレオンを見上げる。


「……あなたも、神の使いなの?」

「神? いや、俺はただの――」


 言葉を続ける前に、神殿の奥から金属音が響いた。

 黒い鎧を纏った兵士たちが、ゆっくりと現れる。

 胸には「光の紋章」。

 そして、少女に槍を向けた。


「光の巫女リリア、神への反逆の罪により、ここで処刑する」


 空気が張り詰めた。

 リリアが震える声で呟く。

「お願い……逃げて。彼らは“神の代理者”……」


 レオンは首を横に振った。

「泣いてる子を置いて、逃げられるかよ」


 槍が突き出された瞬間――

 光が、弾けた。


 反射的に手を伸ばしたレオンの右腕が、眩い光に包まれ、

 鎧の兵士を吹き飛ばした。

 手のひらに、刻まれた紋様が輝いている。


 ――“神喰ディヴァウア


 頭の奥に、誰かの声が響いた。

 倒れた兵士の体から、淡い光が吸い込まれていく。

 息を呑むリリア。

「……あなた、神の加護を……奪ったの?」


「……わからない。でも、俺の中で“何か”が目覚めた」


 静寂の中、レオンは拳を握る。

 感じる――力、鼓動、そして恐怖。

 けれど同時に、確かな想いが生まれた。


「この世界は……泣いてる人が多すぎる」

「だったら俺が、“神の代わり”になってやる」


 光の粒が舞い、少女の瞳に映る。

 レオンの笑顔は、どこまでもまっすぐだった。


> ――その日、神を喰らう英雄が生まれた。

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