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あの世界  作者: ろー
出会い
5/20

第1話

落ちつけ落ち着け・・・俺・・・

男の子は必死に自分に暗示をかけていた。


平常心だ・・・混乱するな・・・

まずは現状の把握から・・・・だな



男の子の目の前には赤い髪を肩の辺りで切りそろえている女の子が短剣をこちらに向けて構えている

その後ろに良く見れば変な形の銃を構えた金髪の女の子・・・・いや女の子っていうより女性の方が正しい。それ以外はこの部屋が薄暗いので全体の把握ができないでいた。


・・・・・・・・・・・・無理!!!意味分かんない!!

男の子は3秒で思考を諦めた。

1つ分かるのは彼女たちがなぜか分からないが男の子を警戒しているという事だけだ。

男の子はとりあえず両手をあげて私はあなた達に敵意はないよと示してみる。



「あんた・・・・・"なに"???・・・・なぜその中に入っていたの!??」


前にいる赤髪の女の子がそう言って男の子に言葉を投げかけてきた



「・・・・何って・・どういう意味・??・・・・入ってた??・・・うん・?・」

男の子は今の自分の置かれている状況が分けわからず、思案する。

・・・・・・なぜ俺は白いカプセルに入っていたのか?


ズキ!!・・・


頭が痛い・・・思い出せないぞ・・・何がどうなっているんだよ?

男の子が黙って頭の痛みに耐えていると赤髪の女の子が後ろにいる金髪の女性に向かって尋ねた。


「・・・・サラ、どう思う?」

これで1つ分かった。後ろの金髪の女性はサラというらしい。


「そうね・・・・武器も持ってないし敵意も感じられないわ。武器をおさめてもいいと私は思うけど・・・・・ここでは満足に話もできないわね。1階の机があった部屋に行きましょう。あそこなら落ち着いて話もできるわ・・・・・あなたちょっとこちらに来なさい。何も言わず私達についてきて」


金髪の女性サラはこの男の子は無害だと、判断した。

さっきから挙動が不審なところがあるが、身のこなしなどが彼女の経験に警戒するに値しないといっていた。赤髪の女の子とサラの2人は、男の子を置いて先にこの部屋から出て行った。

男の子もその後を追いかけてついて行こうとしたが一歩踏み出した瞬間


「おっとっと・・・・・・・・」


転びそうになった平衡感覚が鈍っているようだ。まるで何日も歩いた事がないよう感じがした。


扉の向こうは男の子の入っていたような白いカプセルがたくさん部屋の左右に並んでいた。

だが全て壊れているか朽ちているかどこか破損していて、もう使い物にならないのが明確だった。

見たところずいぶん昔のものだ、という事しか分からない


「ほら!!早く来なよ~」


赤髪の子の声がする。男の子の先に扉があり、そこから呼んでいるようだ。

扉を抜けると長い廊下がありその先に階段があった。階段を下りるとそこは1階で結構広いかった。


階段から向かって左側にある部屋に彼女たちは入って行った

男の子も後を追う事にする。


男の子が部屋に入ると一番に目に着くのは書類の山々だった。


ズキ!!・・・この部屋に入った瞬間、男の子の頭が痛んだ。

・・・・・・・・俺はこの部屋を知っている。

男の子は自分で、なぜか分からないがそう思った


彼女たちは机に腰掛けていた。古い机なのだろう壊れかけてギイギイと音がしていた。

ちなみに彼女たちの名誉の為に言っておくと彼女たちが重いわけではない・・・はず


「さて色々聞きたい事もあるし。それはあなたもでしょうし、質問してもいい?」


男の子はコクンと肯いた。

我が意をえたりと、1つ肯くとサラは、自己紹介から始める事にした。

「まずは自己紹介から私はサラ・・・この子はリリ・・・あなたは?」

サラが男の子に返答を求める。


「俺は・・・・」

男の子はまた思案し始めた。自分の名前という当たり前のものを思い出すために、

ズキ!・・・

さっきからの頭痛がしたが何とか思い出せたようだ。


「俺は・・・・・京一。」

「キョウイチ?・・・・プ・・変な名前・・・・」


リリがそう言って笑った。

キョウイチは正直ちょっとムカついたが初対面の人にガツガツ言える性格でもなく黙っておく。


「おほん!リリ!・・・・少し黙ってて」

「は~い、サラ」

サラがリリを注意する。リリはしぶしぶ了承する。

キョウイチがいい気味だと思ったのは、心の中だけの秘密だ。

サラさんとリリさんか・・・・リリの方はなんか呼びつけでいいや・・・

キョウイチはそんなどうでもいい事を頭で考えると1人納得したようにうなずいた。


「それでは本題に入るわ。さっきと同じだけど、少し変えるわ。なぜあなたはここにいるの?この遺跡には私達が入るのは初めてのはずよ。どこも最近の侵入の形跡はなかったし。・・・・・いったい何者なのあなた??」

キョウイチはまた思案した

・・・・俺が何者か・・・・・か

ズキ!・・・

・・・・正直こっちが聞きたいね。

キョウイチは分からなかった。自分が何者なのか。なぜここにいたのか。

思い出そうとすると変な頭痛にさいなまれる始末。


「あなたさっきから、何か思い出しそうな表情をしてはそのあとに、苦痛で顔をしかめているわね。どうしたの?」


キョウイチは思案した。

正直サラさんの洞察力にも驚かされたがどうすればいいか?

正直に言うか・・・俺は何も思い出せませんって・・・

そんな言い訳じみた答えで納得してくれるのか?

でも言うしかないよな~

キョウイチの腹は決まった。黙っていても何も解決しないので、全て正直に話そうと

「自分でも信じられないのだが、肝心なことは何も思い出せないんだ・・・」

キョウイチの言葉に2人は呆れて口を唖然と開けていた。

「あんた!そんないい加減な事言ってあたしたちを騙せると思ってるの?!」

リリがそう言ってキョウイチに詰め寄ろうとした。


リリは、考えていたこの男が何者なのか、キョウイチと言ったか?少し変な名前だが、

この男はまだ誰も足を踏み入れていないはずの遺跡にいたのだ。

いや、自分たちにわからないほどに侵入の痕跡を消すのが旨いのかもしれない。

そうだとしたら、危険だった。この男は敵なのかもしれないのだ。

それにプラスして、記憶喪失などという症状の名前まで出してきて・・・・・・・・


「リリ少し黙ってて!!!」

サラがリリに向かって手を遮り声を荒げた

「けど・・・・サラ・・・何も思い出せないって、記憶喪失なんて伝説上の病気・・・・信じるの?」


サラも半信半疑だったが記憶喪失という病気は、頭の骨が弱い"人間"がなっていた病気だ。

リリの言う通り、もう伝説になって久しい。だがサラにはこのキョウイチが嘘をついているようにはどうしても思えなかった。

「分からないわ・・・だけど・・・キョウイチ君がウソをついているようには見えないわ。それにもしかしたら言えない理由があるのかもしれないし」

「・・・・分かった・・・・・サラがそう言うんだったら・・・・」


リリはシュンとして元の自分が座っていた机に座りなおした

「あともう1つ聞きたい事があるのだけど・・・・キョウイチ君あなた種族はなに?・・・見たところ尻尾もないし耳もないし角もないし羽もない。まさかそれも忘れた?それとも言えない理由がある?」


そうこれもサラが気になっていた事だ。見たところ耳も尻尾も目ぼしいものは存在しない。

隠せるのか、ないのか、それとも・・・・・・


キョウイチは耳を疑った。

種族??

俺は・・・・


「ちなみにあたしは戌人族、サラは猫人族。ほら・・・耳としっぽ」

そういってリリが自分の尻尾と耳を指差した。続いてサラも自分の尻尾と耳を見せる。


キョウイチはさらに混乱し始めた。

は!!!??いやいやいやいやいやいや、待て待て待て待て待て待て

戌人族????猫人族?????こいつら人間ではないの?????

だめだ混乱してる・・・・・・・・落ちつけ落ち着け

えっとこれって人間がコスプレしているって事はないよな~~


「えっと・・・・俺は・・・・・"人間"・・・・なんですけど」

思わず敬語になってしまったキョウイチを誰が責めれようか・・・・

キョウイチがつぶやいた声が聞こえたのか・・・・リリが目を細めて言った


「サラ!!・・・・やっぱりおかしいよこいつ!あたし達舐めてるよ!!・・・だって人間は!!!・・・・・・」


リリが大声をあげて言った。

リリのあまりの剣幕に驚き、キョウイチの頭には?が浮かんだ

・・・・・・・・・・どうして?人間がそんなに珍しいのかな?








「えっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キョウイチ君・・・・・・1つ言うわね・・・・・・・・・・・

・・・・・・あのね・・・"人間"という種族は・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・滅亡しているのよ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今から約5000年前にね・・・・・・」



サラが言った言葉がキョウイチには理解できなかった

いや、したくなかった。

10月14編集しました。

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