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あの世界  作者: ろー
戦争
16/20

第12話

誤字脱字あったら指摘してください。

この世界クルアについて少し話しておこう

この世界には"種族戦争"後六つの国または連合ができた。

アル公国、ルト教国、カッサーラ自治国、デスタ魔族国、そして英雄王バルトと帝王ルシードが納める国バルト王国とルシード帝国の六つだ。

バルト王国とルシード帝国は1000年の間戦争を続けている、今は100年の長い休戦中だった。

だがついに100年の長い沈黙を破りルシード帝国がバルト王国に向けて進軍した。

彼らは争いの果てに何を望むのか・・・・・・・それをまだ世界は知らない。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「ふぁ~~~」

今日も言い朝だった。キョウイチは目を擦りながら頭を始動させる。

キョウイチはベットから起きて、もう毎日の日課となった早朝の訓練へと出かけた。


『ようやっと形になってきたの~』

キョウイチの唯一の武器"シキ"人間が作ったと言われている人間の為の武器だ。

シキがそう言ってに話しかけてきた。

『まったく!主殿が自分の力で戦いたいなどと言った時は驚いたぞ。』

最初のころはシキの力に頼っていたキョウイチだったが、最近では体力もついてきて、自分の力で戦うようにしてきている。やはり自分の力ではない技や型で戦闘を行うのは気が引けるのだ。キョウイチも男だ、自分の力で戦ってみたいと思うのは当然の事である。


キョウイチはこの前のドラン様からの依頼で、少しだけ自分の事を知った。だが依然として自分が何者なのか"最後の人間"そして5000年前の自分が時を超えた理由、など考えれば考えるほど謎は深まり、思いつめていた。毎朝剣を振るのもそうした要因があるのも確かだ。


「でも、まだまだシキの補助がないと満足に戦闘もできないけどな」

『それは仕方なかろうて、まぁ主殿にはこれからもっともっと経験を積まねばな。』

「はは、シキは手厳しいな~、」

「キョウイチ君おはよ。毎日性がでるわね。」

サラがキョウイチに話しかけてきた。

サラの朝はいつも早い、キョウイチも剣の特訓があるので早い方だが、サラはいつも早いのだ。そしてリリの朝はいつも遅い、リリの朝はいつも遅い、大事なことなので二度言ったが、

「・・・なによ・・・・・そんなにあたしがこの時間に起きてるのが変なわけ?」


キョウイチがこの二人に拾われてから、一か月の以上の月日が流れたが、彼はリリが朝に起きているのが信じられなかった。何か今日は雨が降るのか?ドラゴンでも襲ってくるのか?世界が終わるのか?。だが丸々自分の今思っている事を言えばリリに殴られるのはもう分かり切っているので、この一カ月でバカでも分かるぐらい分かり切っているので、

キョウイチは綺麗に無視することにした。

「・・・・・ところでシェリーは?」


見事な話題転換、キョウイチは自分の成長が今日一番感じれた瞬間だった

「無視するな~~!!」

「シェリーはテーブルで待ってるわ。もう朝食の時間だし、キョウイチ君、熱中しすぎよ」

サラがリリの声を遮るように言った。

ここでリリの言葉を遮らなければ、またいつものようなリリとキョウイチとのやり取りが始まってしまう。いつもならば温かい目で見守っているのだが、今は時間がかかれば掛るだけシェリーを待たせてしまう。サラの判断は今日も適切だった。


キョウイチはサラに心の中で感謝しつつ今日の訓練を切り上げようとした。

とたんにリリが何か動くのを感じて、キョウイチはとっさに右によけた。

「あぶね!!いきなり!」

リリがナイフを右手で逆さに持ち構えていた。

「へ~今の避けるんだ・・・・う~ん合格!どれだけ戦えるようになったかあたしが見てあげる。」


「いやいや、今の避けられなかったら痛いじゃ済まなかったぞ。」

「はいはい、その時は寸止めしてたから大丈夫だって。あ!そうだ・・・・もしキョウが勝ったらあたしがなんでも願い1つ聞いてあげる。けどあたしが勝ったら今日一日キョウはあたしの奴隷って事で、」

「・・・・・・・・・・・・・・俺の方が負けた時の損が大きいような気がするのですが気のせいでしょうか?それに俺まだ戦うって言ってね~~~・・・サラさん」

キョウイチはサラに助けを求めるように視線を向けた。


「それじゃ~私はシェリーと朝食食べてるわね。気がすんだらくるのよ」

サラはそう言ってキョウイチ達に背を向けて宿屋の方に帰っていく。

助けを求めた視線に気付かなかったのか分からないがサラはスタスタと歩いて行く

「キョウイチ君・・・・・考え込んでても仕方がないのよ。どうしようもない時は発散するのが一番なのよね。」

サラがつぶやいた言葉はキョウイチにもリリにも届かなかった。

ギルドマスター、ドラン様の依頼の一件以来キョウイチが考え込んでいるのは、サラも心配の種だった。

リリの行動もりりになりに考えてキョウイチを元気づけようとしているのだろうと予想したサラは止めなかったのだが、

「せっかくシェリーが待ってくれてるのに謝らなくちゃね。」



・・・・・・・とサラが考えていたのだがリリはと言うと

キョウイチを心配している心情も中にはあったのだが、なぜかぐちぐち考え込んでいるキョウイチ本人を見ているとイライラするのだ。

実は自分の中に溜まっているイライラを誰かにぶつけたいだけだったりする。

だが彼女もこのイライラはキョウイチを見ていたら生まれてくるものなので、キョウイチで発散するのは正当防衛だとキョウイチが聞いたらわけが分からない理由で納得している。


「さ!いくよキョウ!準備はいい?」

「よくない!それに俺は特訓で疲れているんだぞ!」

「そう!いいんだ。じゃいくわよ」

リリが足を軽く開きナイフを構える

「聞いて!・・・俺の話を聞いて・・・・」

「用意・・・・・開始!」

「・・・・・・・・もう分かりました。」

キョウイチもシキを構える事にした。

それを確認したリリがナイフを構えて迫ってくる。


キン!キン!キン!


三連攻撃。リリがナイフで三回切りかかり、キョウイチがそれを全て自分の武器で防ぐとすぐにキョウイチから距離を取る。リリの戦い方は、素早さを生かしたヒットアンドアウェイの攻めにあった。彼女は犬人族であるが。身軽さなら猫人族にも負けないと彼女自身は自負していた。


「もしかしなくても本気できてるだろ?」

「当然!自分の頭の悪さも知らないでグチグチ考え込んでるバカにはたっぷりお灸をすえないと・・・」

「!もしかしてそのためにわざわざこんな事を?」


キョウイチはリリの考えていただろうことが初めて分かった。

リリも元気がないキョウイチの事を心配してくれていたのだ。

どうやらサラやシェリーにも迷惑をかけていたらしい。

「・・・・・・・ありがとな」

キョウイチは小さな声で言った。

リリの方に視線を向ける。


「え!?なに!?・・・・・・・・・あ、あたしは自分のイライラ解消にやってるだけだからね。」

「・・・・・・・・それはそれで理不尽だと感じるのは俺だけか?」

「う、うるさい!さっさとかかってくるの!」

リリがそう言ってナイフを持ってない方の手をキョウイチに向けてクイクイと誘う。


「シキ、今から何もするな。」

キョウイチは自分の武器のシキに話しかけた

『・・・・・じゃが主殿、我の手助けがないと、リリにはまだ適わんぞ。』

「それでもだ。今回は自分の力だけでやりたい。」

『・・・・・・・・・分かった。主殿の意思、尊重しよう。』

キョウイチの武器の"シキ"にはいくつかの特別な能力があった。その一つが戦闘補助。普通達人や武芸者と言われるものたちは血のにじむような素振りや修練などを行い、自分の技量を上げ、そしてたくさんの経験を積みかさね、初めて相手との間合いや、息遣いや見切りなどを身につけていく。だがこのシキは、その過程をすっ飛ばして素人でも、達人の動きを可能にするのだ。それは分かると言うだけで、どこに武器が迫ってくるか、どの軌道で来るか、どこにどの程度動けば回避可能か、などの情報が頭に意識しなくても浮かび上がってくるのだ。これにはいくつか弱点があってシキを持っていなければ発動しないという事だ。もし戦闘中にシキを手放すような事があれば、即刻死につながるのだ。

だが今回キョウイチは、シキに戦闘補助の能力を切る事を伝えた。

彼なりの自分の意思で戦いたいという思いの表れだった。


「いくぞリリ。今度は俺も本気だ。」

「はいはい。キョウの本気は聞きあきったって」

キョウイチは今の自分にできる精一杯の一撃を

リリにお見舞いしようと間合いを詰めた










「う~~~~~ま~~~!!!やっぱり、運動した後のご飯は最高だね。」

「はぁ~~負けた」

リリとの戦闘訓練をおえ、今キョウイチ達は朝食を食べていた。

シキからの戦闘補助をなくしたキョウイチが勝てるわけもなく、またたくまに勝負はついた。


「キョウイチさん、大丈夫ですか?」

シェリーがところどころにアザがあるキョウイチを心配して声をかける

キョウイチとリリが戦闘をしている間、シェリーは律儀にも朝食を食べずに待っていた。

もちろんサラも食べていない。シェリーが食べようとしないので彼女もそれにならったのだ。

「シェリー大丈夫だって!こいつ無意味に頑丈だし」

「やりようがあるだろ!・・・・・・てかいくらおいしいからって、そんなに食べたらふと・・・・・」

リリの目の前には明らかに他の面々とは二倍近くも違う皿の数。

キョウイチがそれを指差して呆れたように言うと


スト!


キョウイチの目の前にあった。肉にナイフが刺さった。

「あ!なに!?なんか言った!?」

リリがどこから取り出したナイフをキョウイチに目にもとまらぬ速さで投げたようだ。

「いえ。なにも。」


今日一番の成長を感じた、キョウイチは一瞬リリと目が合いその瞬間理解した。下手な事言ったら死ぬ、と

「分かればよろしい。あ!キョウ、これから今日はシェリーと買い物行くから着いてきなさいよ。」

「は!?なんで俺が、女の子の買い物なんてのに付き合わないといけないんだ?それに前回お前と行った買い物、全部俺持ちだったような気がするんだが・・・・・・・・・」

「え?何言ってんの?男がだすのは当たり前でしょ?」

リリが屈託のない笑顔でそう返す。

「それにシェリーの身の回りの物も買いたいしね~。あとバカなキョウはもう忘れてるかもしれないけど、あんた負けたよね~。たしか負けたら一日奴隷じゃなかったけ?」

「う!それはお前が勝手に言いだした事で・・・・・・・・・「お前?」う・・・・・・リリ「リリ?」く・・・・・・・リリさん」

「よろしい。バカなキョウ君でもやればできるじゃない。」

リリがあざ笑うかのような目で見ている。

「絶対いつかコロす!」

キュウイチがリリに酷く怨念のこもった目で見返す

「え?なんか言った?」

「いえ、なにも」

リリが満面の笑顔でキョウイチの視線に答えた。

キョウイチは絶対に聞こえているだろう~っと思ったがその事は指摘せず。

あまりの悔しさに明日から訓練を二倍に増やそうかなとか考えていた。


「キョウイチさんもついてきてくれるんですか?」

「そうなった。」

キョウイチは訪ねてきたシェリーに苦笑いで返した。

「うれしいです。」

花も恥じらむような笑顔をキョウイチに向けるシェリー。

少しだけ行くのが楽しみになってきたキョウイチであった。

「はいはい。デレデレしな~い!」

そんなキョウイチとシェリーの間にリリが割り込んでくる

「俺がいつデレデレした!」

「してるじゃん!今!ここで!」


「じゃ~私は魔銃を調整に持って行ってくるわね」

キョウイチとリリがいつもの言い争いもとい、じゃれ合いを始めている横でサラがシェリーにそう言った。

「サラさんは行かないんですか?」

「う~ん・・・・・・あとで合流するわ。」

「分かりました。それにしてもリリさんとキョウイチ様は仲がいいですよね。」

「「どこが!!!」」

不毛な言い争いをしていたリリとキョウイチはシェリーに向かって同時に叫んだ

仲がいいかどうかは不明だが、2人の息はピッタリだ。

それに気づいた2人は、顔を赤くして俯いてしまった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

少しの間、場を沈黙が支配した。

「そ、そんな事より・・・・朝食も食べ終わったしそろそろ行こうかな~」

「そ、そうだな~・・・・早く行かないと暗くなる。」

リリが急に話題を変更して、それにこれ幸いとキョウイチも合わせる。

何度も言うが、2人の息はピッタリだった。



サラは、いそいそとテープルから立ち上がり用意をすると二階に上がって行った2人を見送る。

どうやらキョウイチは元に戻ったみたいで、リリに感謝しないといけないようだ。

「・・・・・・・・・・よかった・・・・」

サラだけでなくシェリーも心配していたのだが、もう心配する必要はないようだ。

「さ~て・・・・・私も準備しなくちゃ・・・・」

そう言ってシェリーを見た。

シェリーは準備をするものがないのか、座って待っている。

彼女を1人にさせるのも気が引けると思ったサラはキョウイチ達が降りてくるまで待つことにした。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ここはバルト王国の中心地、のお城。広い部屋の中には、バルト王と呼ばれた人物を上座に左右にずらりと国の重役っぽい人たちが並んでいる。

「バルト様・・・・・・ルシード帝国が動いたようです」

「そうか・・・・・・して数は?」

「それが・・・・・・報告では五万・・・・と」

バルト王の一番近くにいた立派な服を着た人、見るからに宰相とか大臣と言われる人種の人が答える。

「なに!?」

「どうやら・・・・・・邪信教があちらに着いているようです。斥候の報告では、モンスターの姿も確認したと。」

「我が軍の兵士たちの準備と、すぐその報をルト教国へ、邪信教は彼らの天敵であろう。それとすぐに、町村のギルドに通達し傭兵を集めろ。やつらがモンスターを使役している事も伝えろ、大義名分は我らにあり!暗黒皇帝ルシードを打つ!!こたびの戦争は聖戦である、と。」

「は!」

広間に詰めていた人々全てが去っていく。私があれをやる、では私があれを、貴殿にはあれを頼むなど、国の重役達の去っていく後ろ姿から聞こえる声に耳を傾ければ、長くこの国が平和だったのが嘘のようだ。


「ルシード・・・・・・・ついに決着をつける時がきたか・・・・」

ポツリと、バルト王のつぶやいた言葉は誰もいない広間に沈んでいった。







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